2020/03/19

園長のおすすめ(サワヒメスゲ)

サワヒメスゲ 小穂の拡大
サワヒメスゲ Carex mira Kuk.

 この時期、渓谷の岩の上や湿った山裾で黒いツクシのようなものをつけて人目を惹いているのはサワヒメスゲです。黒っぽく見えるのはたくさんの花が集合した小穂(しょうすい)で、一つ一つの花を覆う鱗片の色模様を映しています。茎には複数の小穂があって、先端のものは雄花だけからなる雄小穂。黄色い花粉を蓄えた葯が見えます。その他の小穂は雌花だけからなる雌小穂で、写真のように白いひも状の雌しべの先端部(柱頭)を鱗片から出して花粉を受け取ります。

 葉だけでは魅力に欠ける?スゲの仲間も、花や実をよく見ると思わぬ発見があります。

(園内位置:里山の野草園)