2021/05/24

今日の植物公園[5月24日号]:サボテン温室紹介

本日の話題:サボテン温室のご紹介

    当園のサボテン温室ではおよそ300種類のサボテンや多肉植物を展示しています。乾燥地に適応し、種類ごとにさまざまな特徴をもつサボテン・多肉植物は見た目も面白く、ご家庭でも育てやすいことから人気のあるグループです。
 
 今日はサボテン温室の様子を写真とともにお届けします(以下、写真はすべて5月24日に撮影したものです)。

多肉植物コーナー

 フクシア温室・展示温室の通路を抜けてサボテン温室に入ると、セダムやカランコエ、ユーフォルビアなど各種多肉植物のコーナーがあります。

パキフィツム‘星美人’
 
 パキフィツム‘星美人’は丸い葉がかわいい人気種です。

茎から発根した様子

 地面に落ちた茎から根が出ていました。多肉植物の仲間は乾燥に強く、地面に落ちた枝や葉からも根を伸ばし繁殖することができるものがたくさん知られています。伸びすぎたパキフィツムやセダムを仕立て直す際は、茎を適当な長さに切りしばらく切り口を乾燥させてから挿し木すれば、このように切り口から発根してきます。

セダムの展示エリア

 ‘虹の玉’や‘乙女心’など人気のセダムも元気に生育中です。

ダイオウキリン

 天井に届きそうなほど大きく育ったこちらはダイオウキリンというユーフォルビアの一種です。柱サボテンのような姿ですがサボテンとは違うグループの植物です。

ガステリアの展示エリア

 通路の反対側にはガステリアやハオルチアの仲間が展示されています。ガステリアはアロエに近縁の植物で、葉の模様や葉の重なった姿を楽しみます。

アガベの展示エリア

 温室の中央はアガベコーナーになっています。大型の種も沢山植わっていて手狭になってきたため、植え替えが行われています。

アガベ‘雷神’

 アガベ‘雷神’の群生株も展示されています。

オオガタホウケン

 オオガタホウケンという大きなウチワサボテンはサボテンコーナーの見どころのひとつです。この株は長年の栽培により幹が茶色く木質化してきており風格があります。

落ちた茎からの芽吹き

 地面に落ちた茎から新たな芽吹きが見られました。こういったサボテンの面白い生態をご覧いただくため、あえて地面に落ちたものをそのままにして展示しています。

サボテンコーナー

 サボテンコーナーではウチワサボテン、柱サボテン、玉サボテンといったさまざまなサボテンが大きなものから小さなものまでご覧いただけます。写真手前に写ったキンシャチの大株はサボテン温室のシンボルで、一番大きなものは60年以上生育していると思われます。

 
アロエ・コーデックスの展示エリア

 サボテンコーナーの向かいはアロエの仲間や、パキポディウムなどのコーデックス(塊根植物)類が展示されています。

亀甲竜の塊根

 亀甲竜は近年人気の植物で、年数を経るに従い塊根の上部がひび割れ、亀の甲羅のような出で立ちとなります。

アデニア・グラウカ

 がっしりと太ったアデニア・グラウカも展示中です。生育するにつれて太くなる塊根部が愛嬌満点です。

森林性サボテン リプサリス

 温室出口には森林性サボテンのリプサリスを展示しています。サボテンというと太陽をいっぱいに浴びて育つイメージがありますが、リプサリスの仲間は熱帯雨林の樹上などに着生して暮らしているちょっと変わったサボテンです。

 以上、サボテン温室全体をざっくりと紹介してみました。サボテン温室にはたくさんの種類の植物があり紹介しきれなかったものもたくさんありますが、またの機会に取り上げてみたいと思います。