2021/08/22

変化朝顔展開催中(~8月29日(日))

展示の様子(令和3年8月21日撮影)

黄弱渦丸葉燕紫糸覆輪切咲
(きじゃっかまるばつばめむらさきいとふくりんきれざき)
(令和3年8月21日撮影)

 8月21日(土)~8月29日(日)まで、展示温室において変化朝顔展を開催しています。変化朝顔は江戸時代から脈々と受け継がれた伝統園芸植物であり、様々な茎葉や花の変化を楽しむことができます。
 当園では約40年前から変化朝顔展を開催しており、公立施設が主体的に変化朝顔を栽培・維持して開催している展示会としては国内では最も古い歴史があります。今回は植物公園と広島あさがお研究会の会員のコレクションを、合わせて約200点展示しています。普段はまず見ることのできない朝顔ですので、朝顔観察をしてみてはいかがでしょうか。なお、天候にもよりますが、アサガオの花は昼までに閉じてしまいますので午前中の早い時間の観賞をお勧めします。

青渦柳葉赤紫撫子采咲
(あおうずやなぎばあかむらさきなでしこさいざき)
(令和3年8月21日撮影)

青縮緬立田蜻蛉雨龍葉紫車咲
(あおちりめんたつたとんぼあまりょうばむらさきくるまざき)
(令和3年8月21日撮影)

 変化朝顔の栽培は江戸時代に流行し、様々な性質(茎が帯のようになったり、つるが巻き付かなかったり、花の形が変化したりなど)のものが作出されました。これは遺伝子の突然変異によるもので、変異株は種子が採れないことが多く、系統維持をするには遺伝学的な知識がないと難しいのですが、江戸の人々は経験則によって特定の株から一定の確率で変化朝顔になる種子ができることを知っていました。これはメンデルの法則(1865年発表の遺伝の法則)が発見されるより前のことです。

 変化朝顔の名前は一見すると複雑ですが、名前の付け方にはルールがあり、葉、茎、花の色や形の特徴を順に並べて表現した名前で呼ばれます。それを知っていれば名前でどのような遺伝変異が表れているのかがわかります。 


 開催期間中は、展示会場の臨時売店で、変化朝顔の種子を販売しています。伝統があり、奥の深い「変化朝顔の世界」、興味がある方は変化朝顔を育ててみてはいかがでしょうか。