キジョラン
アサギマダラの卵はガガイモ科の仲間(キジョラン、カモメヅル、イケマなど)に産み付けられ、孵化後はそれを食べて育ちます。これらの植物には毒性があるアルカロイドが含まれているため、幼虫はこれを体内に蓄えることで外敵から身を守っています。
キジョランは関東以西の地域に自生するつる性の植物で、夏に白い花を咲かせ、実を付けます。植物公園内にはキジョランが植えてあり、これに産卵をしたこともあります。
キジョランの花と実(園内で撮影) |
キジョランの実が乾燥すると、割れて中からタンポポの様な綿毛がでできます。これを鬼女の髪に見立て、この名前が付けられました。
アサギマダラの卵(大分県姫島で撮影) |
アサギマダラの幼虫(大分県姫島で撮影) |
成虫になると、本州ではフジバカマやヨツバヒヨドリ、スナビキソウなど、沖縄などの西南諸島ではメキシコサワギクなどで吸蜜します。
フジバカマやヨツバヒヨドリ、スナビキソウなどにはピロリジジンアルカロイドという毒性のある成分が含まれており、摂取することによって外敵から身を守るとともに、オスはこれを利用して性フェロモンを作っているそうです。
フジバカマについては皆さんよくご存じだと思われますので割愛させてもらいます。
ヨツバヒヨドリ
北海道や本州の高山地帯の日当たりの良いところに多く自生している植物です。名前についてはヒヨドリバナの仲間で葉が4枚輪生することに由来していますが、実際には輪生する葉が4枚以外のものも多くあります。
ヨツバヒヨドリとアサギマダラ(南アルプスで撮影) |
スナビキソウ
沖縄を除く日本各地の海辺の砂浜に自生する植物です。春から夏にかけて小さな白い花を多く咲かせ、地下茎で繁殖することから砂引草(スナビキソウ)の名前が付けられました。近年は浜辺の環境の変化などにより、自生株が減ってきているようです。
スナビキソウとアサギマダラ(大分県姫島で撮影) |