2022/02/23

今週の植物公園(屋外の植物情報)

 今週は大温室で「春の特別ラン展」が開催されており、多くの問い合わせをいただいています。同時に屋外にある早春の花やウメなどについても問い合わせがあるため、今週の植物公園では園内の見頃の植物の状況を紹介します。(写真は全て2月21日に撮影したものです)

アイスチューリップ

アイスチューリップ 'イエローフライト'

 以前紹介したカスケードにあるアイスチューリップですが、'ファーストクラス'は見頃を過ぎましたが、黄花の'イエローフライト'が見頃を迎えています。

クリスマスローズ

クリスマスローズ

 ベゴニア温室前のクリスマスローズは花が多く咲いており、見頃となっています。

河津桜(カワヅザクラ)

河津桜

 展示資料館横の早咲きの河津桜は蕾がだいぶ膨らんできています。来週には開花が始まると思われます。

寒緋桜(カンヒザクラ)

寒緋桜

 河津桜の隣にある早咲きの寒緋桜はまだ蕾が固いままです。開花は3月以降になるかもしれません。

ウメ園

ウメ園
 ウメ園では全体の半分程度の株が開花しています。咲きそろうのは3月以降になると思われます。

シナマンサク

シナマンサク

シナマンサク

 芝生広場奥のシナマンサクは今が最盛期です。黄色い糸状の花があたり一面に咲いています。

ソシンロウバイ

ソシンロウバイ

 シナマンサクの横のソシンロウバイは最盛期を過ぎましたが、花はまだまだ観賞できます。あたりには爽やかな香りが漂っています。

ニホンズイセン

ニホンズイセン

 ハナショウブ園にある株は最盛期を過ぎましたが、花の進化園にある株はこれからが見頃になります。

スノードロップ

スノードロップ

同じく花の進化園にあるスノードロップは見頃を迎えています。

ロックガーデン下側(うらら池沿い)~里山の野草園

セツブンソウ

ミチノクフクジュソウ

ミスミソウ

ユキワリイチゲ

 ロックガーデン下側~里山の野草園では早春の花のセツブンソウやミチノクフクジュソウ、ミスミソウが少しずつ咲いています。ユキワリイチゲはまだまだ開花までかかりそうです。

日本庭園

冬至梅(トウジバイ)

八重寒紅(ヤエカンコウ)

 ウメの冬至は今が最盛期です、八重寒紅は満開まであと少しといったところでしょうか。


藤牡丹枝垂れ(フジボタンシダレ)

藤牡丹枝垂れ(フジボタンシダレ)

 日本庭園池のほとりにある藤牡丹枝垂れ(本園では「登竜梅」の名前で親しまれています)は花が数輪だけ開花しています、満開になるのは3月以降になります。


ハナモモ'雛遊び'(ヒナアソビ)

ハナモモ'雛遊び'(ヒナアソビ)

 ハナモモの雛遊びは早い時期に咲き始めましたが、寒さのためか非常にゆっくりと開花が進んでおり、まだ2~3分咲き程度といったところです。満開になるのは3月以降になります。

日本庭園奥

ミズバショウ

ミツマタ

 日本庭園奥のミズバショウは葉が伸び始めたばかりです、ミツマタも蕾は固く、開花は当分先になりそうです。


 今年も河津桜の開花が始まるころからブログで「さくらだより」を更新しますので来園の参考にしていただければと思います。

2022/02/22

植物公園花ごよみ(2月22日号)

「春の特別ラン展」を開催中です!(~2/27)

 2月19日から2月27日まで、「春の特別ラン展」を開催中です。温室を中心に、約300品種、5,000株、20万輪のランが、ひと足早い春を華やかに演出します。

 今回のテーマは「Let‘s go to キャッスルズ ~植物公園で旅気分~」。会場に設置された日本の代表的な5つのお城(熊本城・江戸城・広島城・大阪城・姫路城)と海外の熱帯古城を華やかなランの花が彩ります。遠方へ旅行にも行けない日々が続きますが、植物公園で旅気分を味わって頂ければ幸いです。

会場を飾る6つの城とランの花
 
 会場の大温室内では、ランの花に秘められた神秘を感じていただけるよう、「擬態するラン」をテーマに、「メスバチに擬態してオスバチを誘うラン」ビー・オーキッドなど不可思議なランの形態とその生殖のための戦略を紹介しています。
ビー・オーキッド(Bee Orchid)
 
 県内外の洋ラン愛好団体の皆さんからは力作を多数出品いただいています!出品作品の中から見事入賞された「洋ラン品評会入賞作品」も会場にて展示中です。
洋ラン愛好団体協力展示

 また、大温室ロビーでは「第39回広島県ラン展」の受賞作品を展示しています。県内の洋ラン生産者の方々が生産した洋ランを一堂に集め賞を競った、見事な作品がズラリと並んでいます。
第39回広島県ラン展 受賞作品の展示

 展示温室では、期間中毎日、洋ランの即売会も開催中です。ちょっと珍しいものからお買い得なものまで多数販売しています。この機会にお気に入りの一鉢を探してみてはいかがでしょうか?

洋ラン即売会場の様子

 今回ご紹介した以外にもたくさんの見どころをご用意しています。ランで彩られた特別なひとときをお楽しみください。

2022/02/21

園長のおすすめ(ディウリス・マグニフィカ)

ディウリス・マグニフィカ Diuris magnifica D.L.Jones

 ディウリス属は、オーストラリアとそのその近隣の島に分布する地生ランです。特異な花形から、「ドンキーオーキッド」、「ゴウトオーキド(ヤギのラン)」、「ビーオーキッド」などなど、様々な呼び名があります。マグニフィカはパンジーオーキッドと呼ばれますが、スミレではなくマメ科の花に擬態して昆虫を惹きつけていると言われています。

(園内位置:大温室スロープデッキ上)

2022/02/19

イベント中止・延期のお知らせ(2/19~3/6)

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、令和4年1月9日から3月6日までの間、広島市及び広島市の公益的法人等が主催するイベント等を原則として中止又は延期とすることとなりました。

 そのため、広島市植物公園においては、この期間については下記のように対応いたします。

 ご理解とご協力をお願いいたします。

 なお、この期間は通常通り(9時~16時30分:入園は16時まで)開園しております。

 2月19日(土)から2月27日(日)までは、「春の特別ラン展」の展示を行っており、植物の展示の他に、ハナカマキリの展示やランの臨時売店も行います。混雑時には、入場制限を行う場合があります。ご協力をお願いいたします。

 森のレストランは広島県「『まん延防止等重点措置』の適用に伴う新型コロナ感染拡大防止のための集中対策」適用期間中は休業致します(森のカフェは通常営業しています)。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
 なお、園内への軽食などの持ち込みは可能となっております。

 2月25日は金曜(通常は休園日)ですが、開園しております。

中止・延期するイベント一覧

  • 2月19日(土)
    • クイズラリー 中止
    • カレイドボタニカルフレーム作り講習会 中止
    • 洋ランクリニック 中止
  • 2月20日(日)
    • クイズラリー 中止
    • フラワーデザイン実演会 中止
    • 洋ランクリニック 中止
    • こんちゅう館職員による解説「ハナカマキリの擬態」解説は中止[カマキリの展示のみ実施]
  • 2月21日(月)
    • クイズラリー 中止
    • 洋ランクリニック 中止
  • 2月22日(火)
    • クイズラリー 中止
    • 洋ランクリニック 中止
  • 2月23日(水・祝)
    • クイズラリー 中止
    • 洋ランクリニック 中止
    • 洋ラン実演会 中止
  • 2月24日(木)
    • クイズラリー 中止
    • 洋ランクリニック 中止
  • 2月25日(金)臨時開園
    • クイズラリー(春の特別ラン展) 中止
    • 洋ランクリニック 中止
  • 2月26日(土)
    • クイズラリー(春の特別ラン展) 中止
    • 洋ランクリニック 中止
    • ランの花すくい 中止 
    • 職員による植物うんちく語り 中止
      • 春の妖精に会いに行こう!!
    • 洋ラン実演会 中止
  • 2月27日(日)
    • クイズラリー(春の特別ラン展) 中止
    • 洋ランクリニック 中止
    • 洋ラン実演会 中止
    • こんちゅう館職員による解説「ハナカマキリの擬態」解説は中止[カマキリの展示のみ実施]
    • ランのオークション 中止
  • 3月6日(日)
    • 「草木染の世界」展 ギャラリートーク 中止
    • 草木染講習会 中止

中止する展示会

  • フラワーデザイン展
    • 2月19日(土)~24日 中止


その他

  • 臨時売店
    • 洋ランの販売(2/19~27)は実施します
  • 園芸相談
    • 来園による園芸相談は、随時受付しています[展示資料館1階にて]
    • 洋ランクリニック(2/19~27)[洋ランの園芸相談]は中止します
  • ガイドボランティア関係
    • ガイドボランティアによる園内案内は、3月6日(日)まで休止します
    • 団体ガイドの申込は当面の間休止します
    • 植物友の会関係
      • 3月5日(土)の例会はこの日には開催せず、3月27日(日)に延期予定です
      • 友の会ボランティアは3月1日(火)予定分まで休止します


    以下については、現時点では予定通り開催します

    • カカオとチョコの秘密展
      • 1月29日(土)~2月14日(月) 24日(木)
        会期を延長しています
    • 春の特別ラン展
      • 2月19日(土)~27日(日)
    • 「草木染の世界」展
      • 2月26日(土)~4月6日(水)
    • ゼラニウム展
      • 3月5日(土)~4月17日(日)

    参考


    2022/02/18

    今週の植物公園(雪中で春を待つ花)

     今週の植物公園は雪の積もった植物公園からお届けします。今週の木曜日(2/17)は未明から雪が降り、出勤すると写真のような光景が広がっていました。

    雪の花壇とタギョウショウ 令和4年2月17日撮影

    雪の日本庭園と梅 令和4年2月17日撮影

     日本庭園の雪吊りはもっぱら観賞用ですが、雪が降ると一幅の掛け軸のような美しい写真が撮影できます。
     この時期おすすめのフォトスポットです。

    雪中のミチノクフクジュソウ 令和4年2月17日撮影
    ミチノクフクジュソウの花 令和4年2月12日撮影

     さて、寒い日が続き春の訪れはまだまだと思いきや、里山の野草園では、ミチノクフクジュソウが蕾を膨らませていました。フクジュソウ(福寿草)は新春を祝う花として知られており、幸福と長寿の象徴とされています。縁起の良い植物ですので、ぜひご覧ください。

     セツブンソウやユキワリイチゲなど春を告げる山野草も里山の野草園でこれから花を咲かせてきます。開花情報はブログ等で随時お知らせします。

    スノードロップ 令和4年2月12日撮影

    小麦の芽生え 令和4年2月12日撮影

     場所が変わって、花の進化園では、スノードロップの花や小麦のなかまの芽生えを見ることができます。写真にはありませんが、ハナナ(菜の花)やピラカンサのなかまの実も花壇を鮮やかに彩っていました。

    熊本城とランの装飾 令和4年2月17日撮影

    ケイオウザクラの並木 令和4年2月17日撮影

      最後に、大温室では「春の特別ラン展(2月19日~27日)」の準備が佳境を迎えています。大温室入り口の水辺の植物コーナーには、ランで鮮やかに装飾した熊本城が登場します。桜も咲いた暖かい大温室で、一足早い春を感じてみてくださいね。

    2022/02/16

    園長のおすすめ(シナマンサク ‘ボスコープ’)

    シナマンサク ‘ボスコープ’ Hamamelis mollis D.Oliv. ‘Boskoop’

     マンサク属の植物は、東アジアとアメリカ大陸に隔離して分布しています。5種類の野生種があり、どの種類の花もよじれた紐のような花弁が4個ある独特の形をしています。

     日本産のマンサクは「谷急ぎ」とも呼ばれるように春一番に開花しますが、中国産のシナマンサクはもっと早く咲き、花が大きく見ごたえがあり、良い香りも楽しめます。

    (園内位置:マンサク園[芝生広場奥])

    2022/02/12

    研究活動発表会をweb公開しています

     広島市安佐動物公園と広島市植物公園、広島市森林公園こんちゅう館は、令和4年2月5日(土)に合同で「研究活動発表会」を予定していましたが、新型コロナ感染拡大防止のために会場に集まった形での開催を中止しました。しかし、発表を楽しみにしておられた方々の期待に少しでもお応えするため、インターネット上での動画(録画)の配信という形で発表することとしました。ぜひご覧ください。

    第17回 安佐動物公園・植物公園・こんちゅう館 研究活動発表会 内容


    ・国内最大『オーストラリアバオバブ』の開花について
    (広島市植物公園 栽培・展示課 技師 堀川大輔)

    ・立てなかった赤ちゃんキリン『はぐみ』の治療と現在の様子について
    (広島市安佐動物公園 飼育・展示課 技師 堂面志帆)

    ・『タガメ幼虫の屋外多頭飼育』について
    (広島市森林公園こんちゅう館 主任技師 松尾信彦)

     各動画の視聴時間はそれぞれ約20分間です、こちらのページから各動画をご覧いただけます。

    2022/02/10

    おもと(万年青)名品展が始まりました(~2/15)

    おもと(万年青)名品展 会場の様子

     2月9日(水)から2月15日(水)まで、展示温室にて「おもと(万年青)名品展」を開催しています。

     おもとは日本の古典園芸を代表する植物のひとつで、「芸」と呼ばれる独特の葉の形の変化や斑入り模様を楽しみます。今回の展示会では「第76回日本おもと名品展(令和3年11月27日・28日開催)」の受賞作品を含む約100点の作品をご覧いただけます。

     会場に展示している受賞作品をご紹介します。

    鸞山(らんざん)
    第76回日本おもと名品展
    特賞「万田発酵賞」受賞作品

    太楽(たいらく)
    第76回日本おもと名品展
    特別最優等 受賞作品

    吉祥(きっしょう)
    第76回日本おもと名品展
    最優等 受賞作品

    富士の図(ふじのず)
    第76回日本おもと名品展
    最優等 受賞作品

    朝陽(ちょうよう)
    第76回日本おもと名品展
    優等一席 受賞作品

    富国錦(ふこくにしき)
    第76回日本おもと名品展
    優等一席 受賞作品

    地球宝(ちきゅうほう)
    第76回日本おもと名品展
    優等二席 受賞作品

    千代田の松(ちよだのまつ)
    第76回日本おもと名品展
    優等三席 受賞作品

     展示期間中は臨時売店の出店もあります。日本が世界に誇る古典園芸の世界をこの機会にぜひお楽しみください。

    臨時売店

    ※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、例年実施しておりました「おもと実演会」は中止とさせていただきます。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

    オモト(Rohdea japonica)とは

     中国から日本の暖かい山地に自生する、キジカクシ科オモト属の常緑多年草です。古くから縁起物として愛好され、徳川家康が江戸城に入るときに家臣から献上を受けたという有名な言い伝えもあります。芸と呼ばれる特徴的な葉の形の変化や、様々な柄の変化、年月が経つにつれて変化する芸や斑が観賞のポイントです。手のひらに乗るサイズの小葉種から50㎝以上の葉をつける大葉種まで大小さまざまな種類があり、葉の芸と柄が組み合わさり数多くの品種が作出されています。過去に何度かブームがあり、特に珍しい芸を持つ株は信じられないような高値で取引されました。現在でも各地で展示会が開催されるなど、根強い人気を誇る古典園芸植物です。