2022/04/30

「景石を楽しむ見本園」ができました

 植物公園の正門右前のスロープで囲まれた場所に、新たな見どころとして「景石を楽しむ見本園」ができました。この見本園は、一般社団法人 広島市造園建設業協会の「社団法人設立30周年記念事業」として、植物公園のスロープを通りながら、景石を見て楽しんでもらえるよう広島市に寄贈いただいたものです。

 本日、見本園のプレート石を関係者で設置しました。本記事では、その様子や石肌や色目の異なる景石を楽しんでいただける見本園の特徴などについてご紹介します。なお、現地には景石の解説看板を設置しておりますので、あわせてご覧ください。

景石を楽しむ見本園の様子 令和4年4月30日撮影
(初夏には一面にササが茂り、より庭らしい風情がでます)

景石を楽しむ見本園について

 景石とは、自然の風景を取り入れることを目的として、庭に配置される天然の岩石です。ほとんどの景石には、産地にちなんだ名前が付けられており、全国的に流通しているものもあります。本園の「景石を楽しむ見本園」では、広島県を代表する郷土の景石4種類を展示しています。

 現在は土がむき出しになっていますが、初夏にはオカメザサが茂り、庭としてより見ごたえのある姿になります。ご来園の折には、ぜひゆっくりと地元広島の石をご覧ください。

プレート石設置の様子

 令和4年4月30日午前10時から、(一社)広島市造園建設業協会の関係者の方々と見本園のプレート石を設置しました。

景石を楽しむ見本園 プレート石

プレート石設置の様子

関係者による記念撮影


景石の種類と特徴

羅漢石(らかんいし)

 広島・山口県境にある羅漢山に産出する岩石で、そのほとんどは蛇紋岩です。蛇紋岩は濃い緑色で光沢があり、岩肌が蛇の皮に見えることがその名の由来とされています。

羅漢石

石灰岩(せっかいがん)

 石灰岩はサンゴなどの生物の殻が起源であるため、全体的に白っぽい色をしているのが特徴です。広島県内では、帝釈峡のほか島嶼や沿岸部でも見られます。カルシウムを多く含むことから、セメントの原料としても利用されます。

石灰岩

向原石(むかいはらいし)

 広島県内に広く分布する岩石で、名前は地名(安芸高田市向原町)由来です。花崗岩(かこうがん)とあわせると広島県の面積の70%を占めています。和風庭園によく利用されています。

向原石

湯来の青石(ゆきのあおいし)

 広島市佐伯区湯来町に多く見られる青みがかった岩石です。斑れい岩のひとつ(二酸化ケイ素が少ないマグマが地中でゆっくり固まった岩石)で、荒粒(石のきめが粗い)で黒っぽいことが特徴です。

湯来の青石