2021/06/12

今日の植物公園[6月12日号]:雨が似合う花

  中国地方は梅雨入りしたにも関わらず暑い日が続きます。今日は何日か振りの雨となり、雨を待っていた植物たちが一層いきいきとして見えます。園内ではちょうどアジサイが見頃を迎えています。

 雨上がりの園内を巡ると、雨が似合う繊細さを持った花たちがきれいに咲いていました。以下、写真はすべて本日撮影したものです。

見頃を迎えたアジサイ

 森のレストラン前花壇の北側でアジサイが見頃を迎えています。色とりどりのアジサイが咲き誇っています。目に止まったものを何点か紹介します(品種名省略)。






 森のレストランのピロティの裏では、水色のアジサイが擁壁からこぼれるように咲いていました。



 レストラン前から日本庭園に足をのばすと、一面に白い花が。

アナベル

 アナベルが白く色づき始めていました。

 同じく日本庭園内のハナショウブ園では、ハナショウブが雨に打たれながら花を咲かせていました。

霓裳羽衣(げいしょううい)

 後世に残るハナショウブを多数作出した江戸時代の旗本、松平定朝の作とされる「菖翁花(しょうおうか)」のひとつです。

 そのほかでは肥後系の豪華な品種がよく目立ちます。

碧涛(へきとう)

玉堂(ぎょくどう)

 花の進化園ではスッと立ち上がるアカンサスやハタザオギキョウが咲いています。

アカンサス

 アカンサスはとても丈夫な多年草で、大きな葉を楽しむほか、この時期に立ち上がるように花茎を伸ばすのでガーデンのアクセントにもってこいです。


アカンサス

 ヨーロッパでは、大きな切れ込みの入ったアカンサスの葉は古代ギリシアの時代から装飾のモチーフとして用いられてきました。イギリスのデザイナー、ウィリアム・モリスのデザインに登場する事でも有名ですね。

ハタザオギキョウ

 ハタザオギキョウもアカンサスと同じく、花茎が立ち上がりガーデンに高さを出してくれます。釣り鐘型の薄紫色の花も涼し気で、梅雨の時期によく合います。

ホタルブクロ

 ホタルブクロも見頃で、ベゴニア温室前の植え込みに群生しています。ハタザオギキョウと同じホタルブクロ属の植物で、こちらも釣り鐘型の花がかわいいですね。山野草としても愛好されています。

 今日は雨が似合う花を取り上げてみました。読み返してみるといつもより涼し気な印象となったような気がします。雨の日の植物公園では雨の日ならではの風景を楽しむことができます。再開園した際は、雨の日でもぜひ当園に足を運んでみてくださいね。