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今日のフクシア温室(令和3年6月13日撮影) |
大温室を抜けてバラ園に向かって少し進むと、左側にフクシア温室が見えてきます。この温室では、空調と日照の管理を行うことで、一年中きれいなフクシアを観賞できるようにしています。今は夏に向けて枝を短く整えたところなので、普段よりも株が小さく、すっきりとした印象があります。なお、以下の写真は全て本日[令和3年6月13日]撮影したものです。
覚えておられる方も少なくなってきましたが、以前はこの温室にはベゴニアを飾っていました。下の写真(公式ブックレットより)のように、部屋全体に素焼き鉢に植えた球根ベゴニアをぎっしりと並べていました。
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以前のフクシア温室[旧ベゴニア温室]の様子(昭和60年頃撮影) |
開園20周年事業として、平成7年3月に新しいベゴニア温室が芝生広場の近くに完成したので、翌々年にかけて旧ベゴニア温室を再整備したのが、今のフクシア温室の姿になります。
ちょうど同じ年(平成9年)には、安佐動物公園のヒヒ山が完成し、ヒヒの名称がドグエラヒヒからアヌビスヒヒに変更されたそうです(
すづくり開園40周年記念号[安佐動物公園]より)。
フクシアとは
フクシア(
Fuchsia L.)は、アカバナ科に属する低木又は小高木で、常緑性のものと落葉性のものがあります。野生種は約100種あり、多くは中南米と西インド諸島に分布し、ニュージーランドとタヒチ島にも4種が分布しています。亜熱帯性気候の地域ながら高地に自生しているので、涼しくて湿り気のある環境を好みます。
19世紀中頃から、ヨーロッパにおいて品種改良がおこなわれるようになり、今日では約2000の多彩な園芸種が栽培されています。日本には19世紀後半に初めて渡来しています。
フクシアの原種
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フクシア・プロクムベンス(斑入り葉) |
フクシア・プロクムベンスはニュージーランド原産の野生種で、枝は細く地面を這って伸びます。花は小さく目立ちませんが、黄色い花を咲かせるフクシアは本種のみです。
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フクシア・レギア |
フクシア・レギアはブラジル原産の野生種で、細く突き出したおしべとめしべが特徴的です。このほかにも、温室内では、園芸品種の交配親になった様々な野生種を展示しています。
フクシアの花
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フクシアの花の形(模式図) |
フクシアの花は、その優美さから、英名では「貴婦人の耳飾り(Lady's ear drops)」と呼ばれています。園芸品種では、がく筒から雌しべに至るまでの花の様々な部分を、交配によって作り替え、多彩なフクシアの花姿を表現しています