夏の夜に咲く純白の花、ヨルガオ。蒸し暑い夜にほっと一息つく余裕を与えてくれます。
8月から9月にかけて開催予定の夜間開園において、去年好評だったヨルガオを今年も展示予定です。今回は、展示に向けて栽培するヨルガオの種まきから植付けまでの様子をお届けします。
種まき
ヨルガオは熱帯アメリカが原産で、発芽にある程度の温度が必要なので、気温が高くなってくる5月中旬ごろからが種まきの適期です。ヨルガオの種子は硬実種子(こうじつしゅし)と呼ばれる、不透水性の種皮を持つタイプの種です。そのまま種をまいても発芽しにくいので、種まきの前に発芽を促す処理を施します(市販の種は処理済みのものもあります)。
今回は、種子を水に浸けて吸水させる処理と、種皮を傷つける芽切り処理の2通りを試してみました。
吸水処理
芽切り処理
硬い種皮に傷をつけ吸水しやすくします。今回はカッターナイフで写真のように種子の一部に傷を付け、一時間ほど吸水させたのちに種まきをしました(やすりを用いた方が安全です)。深く傷つけすぎると子葉に穴があくので注意します。
以上2通りの処理を行った種を、5月22日に3号ポットに1粒ずつまきました。吸水させる方法で20粒、芽切りする方法で24粒まいています。
種まきから8日後(5月30日)
発芽しはじめました。子葉に種皮が被っているものは優しく取り除きます。
種まきから11日後(6月2日)
吸水処理区 16粒/20粒 発芽 |
植付(6月2日)
植付前のヨルガオの苗 |
生育旺盛な苗を小さなポットに植えたままにしておくと根詰まりを起こし、生育が停滞してしまいます。根詰まりを起こす前に早めに植付けます。今回はポットの底穴から根が見え始めたタイミングで植付を行いました。ポットから苗を抜いてみると根は写真のような状態でした。根を傷つけないよう優しく植え付けます。
植付後の様子(6月5日)
生育不良の様子もなく順調に育っています。ツルが伸び始めたら、正面切符売り場から右上方に見える展示資料館2階のベランダからヒモを伸ばして誘引を行います。生育の進んだ頃にまた様子をお伝えしたいと思います。