広島市植物公園の「花の進化園」では、ハブソウとエビスグサの実が熟してきました。
|
ハブソウ
|
|
エビスグサ |
ハブソウ、エビスグサはいずれもマメ科の一年草で、健康茶として知られる「ハブ茶」の原料として利用されます。本来はハブソウの種子を炒ったものが「ハブ茶」の原料とされるそうですが、ハブソウと同じ属の別種で、ハブソウと比べて種子の収量が多いエビスグサの種子を炒ったものもハブ茶の原料としてよく使われています。
|
ハブソウの花 |
|
エビスグサの花 |
さて、これらの花ですが、いずれも黄色い花を咲かせます。ジャケツイバラに近い種類で、いびつな5弁の花です。マメ科を特徴づけるスイートピーの様な蝶形花(ちょうけいか)でもなく、ネムノキの様な「くす玉状」の花序をつくるわけでもありません。ハブソウの方がエビスグサよりも大きな花を咲かせます。
ハブソウは、今もたくさん花が咲いていますが、エビスグサは開花の末期になっています。
|
ハブソウの葉 |
|
エビスグサの葉 |
葉の比較ですが、いずれも偶数羽状複葉(中央の1本の軸の左右に小葉が並び、小葉の数が偶数のもの)で、ハブソウは小葉の先がとがり、エビスグサは先が丸くなっています。
|
ハブソウ |
|
エビスグサ |
果実を比較すると、ハブソウは上向きでこん棒状になり、エビスグサは細長く弓状になります。
最後になりますが、エビスグサの名の由来について、「実が成った状態が、恵比寿様が釣り竿を垂らした姿に見立てたところからついた」という話を筆者がずいぶん以前に聞いた記憶があり、そうだと思い込んでいたのですが、この度改めて色々調べたところ、それを裏付ける資料は見つかりませんでした。思い込みというのは怖いものです。