2019/08/29

バオバブの花 その後

8月25日(日)の夜に咲き始めたバオバブですが、その後、1日で萎むとの予想に反して、3日間咲き続けました。

バオバブの花 2019年8月26日撮影
上の写真は、開花から一夜明けて26日(月)の朝に撮った写真です。5枚の花弁の内側に多数のおしべ、そして花の中心にはめしべが見えます。花弁の外には2つに裂開して反り曲がった萼(がく)が見えます。

バオバブは1日花と言われていましたが、オーストラリアバオバブに関してはもっと長持ちすることが分かりました。

今回は、3日間白っぽい花が咲き続け、29日(木)になり、花弁が茶色に変色し始めました。


茶色に変色し始めたバオバブの花 2019年8月29日撮影
つぼみは、まだ4つ残っています。次のつぼみの開花予想日が分かり次第、このブログでお知らせいたします。

2019/08/26

初!バオバブが咲きました(8月26日)

 日本一の大きさのバオバブですが、広島に移植して初めて花が咲きました。

オーストラリアバオバブの花
2019年8月26日9時9分撮影

 さて、職員も初めての開花を目の当たりにすることになり、開花予想は大変難しいものでした。今回は、開花の前日から記録を取っていましたので、紹介します。

2019年8月25日昼頃 (来園者の提供写真)

 25日昼頃、つぼみの薄緑色のガクの先端が割れて、白いものが見え始めています。 この白いものは、24日には見えていませんでした。

2019年8月25日 午後4時50分撮影

 通路から見上げた写真です。昼頃よりも、白い部分が大きくなっているように見えます。

2019年8月25日 午後5時16分撮影

 バオバブの木にハシゴをかけて登って撮影したつぼみの写真です。

2019年8月25日 午後6時5分撮影

 こちらは作業用の2階通路から撮影したつぼみの写真です。

 ここから下の写真は、バオバブの幹に仕掛けた鳥獣用のカメラの画像です。残念なことに手前の葉が邪魔して、花の中心は写っていませんでしたが、ガクの部分は写っています。目印につけたピンク色のリボンの斜め右上にご注目ください。

2019年8月25日 午後5時18分撮影

 画像は5分おきに自動撮影されたものです。

2019年8月25日 午後6時53分撮影

 暗くなり、午後6時53分の画像から白黒モードに切り替わっています。

2019年8月25日 午後8時48分撮影

この写真までは、特に変化がなさそうです。この後、矢印で示しているあたりに注目してください。

2019年8月25日 午後8時53分撮影


 午後8時53分、花を隠している葉の右下部分に何かが写りこみました。


2019年8月26日 午前7時18分撮影

 今朝の画像を見たら、写りこんでいたのは、巻いたガクだと分かりました。花弁の様子が写らなかったのは残念ですが、裂けたガクが巻き始めたのは午後8時48分から53分までの5分間の間だと分かりました。

 今回の観察では、オーストラリアバオバブは夜開性で、咲き始めるおよその時刻は午後9時近くと分かりました。一日花なので、今日の夕方ころには萎みはじめるのではないかと予想しています。

 つぼみはまだ4つ残っているので、夜間開園日にご覧いただけるチャンスがありそうです。

2019/08/25

8月24日の夜間開園で咲いた花

 朝晩、涼しさを感じるようになりました。8月24日の夜間開園で咲いた花を一部紹介します。

ドラゴンフルーツ 2019年8月24日撮影

 24日、一番注目を浴びたのはサボテン温室のドラゴンフルーツでした。サボテンの一種で、月下美人によく似た花を咲かせます。

3花同時開花のドラゴンフルーツ 2019年8月24日撮影

 3花同時に咲いたのは、初めて見ました。 しかも赤い実までついています。ドラゴンフルーツの花は一晩だけ咲いて、翌朝にはしぼみます。まだつぼみが残っているので、近いうちにまた花を楽しめそうです。

赤いサガリバナ 2019年8月24日撮影

 大温室の入口付近では、赤いサガリバナが咲きました。大温室リニューアルにあわせて新たに導入した種類で、今年初開花しました。

夜のバオバブ 2019年8月24日撮影

 オーストラリアバオバブです。夜に見ると、昼間とは違った印象です。つぼみが数個ついています。咲くまでもう少しかかりそうですが、バオバブの花は夜開性で一日花なので、夜間開園日のタイミングと合えば良いのですが…


夜のヒマワリ迷路 2019年8月24日撮影

 屋外では、ヒマワリが満開です。


タマノカンザシ 2019年8月24日撮影

 タマノカンザシはギボウシの仲間で、夜に香りのよい花を咲かせます。

ツキミソウ 2019年8月24日撮影

 そろそろお月見の季節ですが、黄色い花を咲かせるマツヨイグサがツキミソウとよく間違われます。本来のツキミソウは写真の通り真っ白です。夜に咲き、翌朝にはピンク色に変色ししぼみます。


サガリバナ 2019年8月24日撮影

 最後に、大温室入り口のサガリバナです。たくさんの穂が出て多くの花が咲きました。

2019/08/24

園長のおすすめ(変化朝顔展)


変化朝顔の芽生え(子葉)

 変化アサガオは、葉や花にまれに出現する突然変異を系統だてて保存し、それらの交配・選別を繰り返すことで多数の突然変異が組み合わさった、とても出現率の低い個体の作出を目指して発展した園芸分野です。この手法は、メンデルの法則が発見される前の江戸時代に、日本で経験的な法則として確立されたもので、後年世界の注目を浴びることになりました。現在でも、新しい突然変異やその組み合わせが出現し、新しい伝統園芸として静かなブームになりつつあります。

 展示会は、変化アサガオそのものの楽しみだけでなく、江戸の人々の精神性にまで迫る内容となっていますので、ぜひご覧ください。詳細は植物公園ブログにも掲載中です。

変化朝顔の花
展示会場の様子

複雑な変化の解説パネル

8月24日の開花予想(夜間開園)

宮島水中花火大会の様子(宮島島内) ©Daisuke K 2014

 本日(8月24日)は21時まで開園時間を延長しています。夜咲く花はもちろん、園内からも宮島水中花火大会の花火をご覧いただけます(距離が離れているので写真よりも幾分小さめですが…)。バラ園や休憩展望塔からの鑑賞がおすすめです。皆様のご来園をお待ちしております。

本日開花する主な花(8月24日 土曜日)

  • 午前10時時点での情報(予想)です。
  • △のものは花がないこともあります。
  • サガリバナは30輪以上(たくさん)咲きそうです。
植物名場所分類開花
見込
8/24
サガリバナ大温室前夜咲く花
赤花のサガリバナ(バーリングトニア・アクタングラ)大温室前夜咲く花
ハマオモト大温室夜咲く・香る花
オオオニバス熱帯スイレン温室夜咲く・香る花
夜開性スイレン熱帯スイレン温室夜咲く・香る花
ソーセージノキ大温室夜咲く花×
イエライシャン大温室夜香る花
イランイランノキ大温室夜香る花
ヤコウボク大温室夜香る花
ゲッカビジン大温室夜咲く花×
ドラゴンフルーツ大温室夜咲く花×
ドラゴンフルーツサボテン温室夜咲く花△?
サボテン 夜の女王サボテン温室夜咲く花×
ヨルガオ屋外展示場夜咲く花
ヨルガオ進化園夜咲く花
ツキミソウ屋外展示場奥
(花の迷路)
夜咲く花
タマノカンザシ進化園夜香る花
オシロイバナ進化園夜咲く花
タバコ進化園夜咲く花
エンジェルストランペット進化園夜香る花×
エンジェルストランペットカスケード夜香る花×

2019/08/22

これが朝顔!? 実は伝統園芸植物 変化朝顔展(8/24~9/1)


展示の様子

青抱縮緬立田葉紫筒白切弁車咲牡丹
(あおだきちりめんたつたばむらさきつつじろきれべんくるまざきぼたん)

 8月24日(土)~9月1日(日)まで、展示温室において変化朝顔展を開催します。変化朝顔は江戸時代から脈々と受け継がれた伝統園芸植物であり、様々な茎葉や花の変化を楽しむことができます。
 当園では40年ほど前から変化朝顔展を行っており、国内でも有数の展示実績があります。今回は広島あさがお研究会の会員と植物公園のコレクション、合わせて約60系統200点を展示しています。普段は見ることのできない朝顔ですので、写真撮影や自由研究の一環として、朝顔観察はいかがでしょうか。なお、花を観賞するにあたっては、午前中の早い時間をお勧めします。

松島蜻蛉葉紫時雨絞丸咲
(まつしまとんぼばむらさきしぐれしぼりまるざき)

 変化朝顔の栽培は江戸時代に流行し、様々な性質(茎が伸びなかったり、つるが巻き付かなかったり、花の形が変化したりなど)のものが作出されました。これは遺伝子の突然変異によるもので、当時の江戸の人々は経験則によって、特定の株から一定の確率で変化朝顔になる種子ができることを知っていました。これはメンデルの法則が発見されるより前のことです。

青斑入蜻蛉葉木立桃覆輪星咲
(あおふいりとんぼはこだちももふくりんほしざき)

名前の付け方

 変化朝顔の名前は一見すると複雑ですが、名前の付け方にはルールがあり、葉、茎、花の色や形の特徴を順に並べて表現した名前で呼ばれます。それを知っていれば名前でどのような遺伝変異が表れているのかがわかります。 

青渦蜻蛉葉紅筒白丸咲
(あおうずとんぼばべにつつしろまるざき)

黄打込笹葉青糸覆輪竜胆咲牡丹
(きうちこみささばあおいとふくりんりんどうざきぼたん)
種子の販売

 8月25日(日)の午前10時から職員による変化朝顔展の解説を行います。また、開催期間中は臨時売店で広島あさがお研究会による変化朝顔の種子の販売をしています。伝統があり、奥の深い「変化朝顔の世界」、興味がある方は是非ご覧になってみてください。

取材報道


2019/08/18

赤いサガリバナ(バーリングトニア・アクタングラ)

 植物公園の夏の夜間開園の目玉といえば、夜に真っ白な神秘的な花が咲くサガリバナですが、実は赤いサガリバナ(バーリングトニア・アクタングラ)もあるんです。


赤いサガリバナ 2019年8月17日撮影

 昨年の大温室のリニューアルに合わせて導入した赤いサガリバナが、この8月から咲き始めました。ふつうのサガリバナと同様に、夜に咲き始めて明け方には散ってしまいます。つぼみはまだまだありますので、8月24日(土)から始まる夜間開園でご覧いただけそうです。

2019/08/17

植物公園花ごよみ(8月17日号)

オオオニバス試乗体験会 実施します(8/17・18)

オオオニバス試乗体験会の様子

 本日(8月17日)は通常通り開園しています。オオオニバス試乗体験会も予定通り実施します。夏休みの思い出作りにご来園下さい。

  • オオオニバス試乗体験会(先着順
    • 日付
      • 8月14日(水)・17日(土)・18日(日)
    • 時間
      • 午前9時15分~午後0時15分
      • 午後1時15分~3時15分
        • *各日とも午前9時から整理券配布
    • 定員
      • 先着500人(計1,500人)
    • 対象
      • 体重30㎏までの子ども

取材報道



お知らせ(平常どおり開園)

本日は9時より、平常通り開園します。なお、オオオニバス試乗体験会も予定通り実施します。

The Hiroshima Bontanical Garden will open as usual today.
(August 17, 2019)

令和元年8月17日7時50分   植物公園管理課

2019/08/14

緊急のお知らせ(8/15 臨時休園)

8月15日は臨時休園します。

なお、園内の安全点検及び施設の損壊等があった場合には復旧作業が必要となるため、 再び開園する日時等については、再度情報提供します。17日のオオオニバス試乗体験会は、現時点では開催する予定です。

今後の気象状況に十分注意し、安全確保に努めて下さい。

Temporary park closing (August 15)

令和元年8月14日11時00分   植物公園管理課

2019/08/08

市民講座「植物和名にみる笑薬学」初開催(9/8)

 「一笑一若」笑いは薬に勝るとも言われております。メグスリノキ、メギノキは目薬になるのでしょうか。ドクダミは毒を貯めてどーするの。それでも「十薬」とは?イタドリは「痛み取り」らしい。キハダ( 黄柏)、オウレン( 黄連) の黄色の本体は何なの?血気盛んな武将は「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」という、まっ黄色な漢方薬を飲んでいたようです。
 植物の和名には、薬草と思わせる名前が多々見受けられます。今回は、しっかり笑って腹筋を鍛え、貯筋の足しにしましょう。園芸療法もいいが、演芸療法もいいらしい。

 9月8日(日)13:00から、平成31年度広島市植物公園市民講座「植物園の笑涯学習 植物和名にみる笑薬学」を開催します。講師の先生は広島国際大学生涯学習自然園 前園長の神田博史先生。笑いの絶えない”笑薬学”、参加申し込みは不要です。ぜひご家族や、ご友人、ご近所様お誘いあわせの上、奮ってご参加ください。なお、9月7日(土)~26日(木)まで、薬用植物展を関連展示として行っています。

  • 平成31年度広島市植物公園市民講座I
    • 日時 令和元年9月8日(日)13:00~14:30
    • 場所 展示資料館2階講堂
    • 演題 植物園の笑涯学習「植物和名にみる笑薬学」
    • 講師 神田博史先生
      • 広島国際大学生涯学習自然園 前園長、薬学博士

初! バオバブのつぼみ

オーストラリアバオバブに、つぼみが着きました。日本に到着してから初めて付けたつぼみです。


オーストラリアバオバブのつぼみ 2019年8月6日撮影

 推定樹齢400年、日本に導入されたバオバブとしては最大の大きさで、重さ約7トン(つり上げ時)、幹幅は最大で2mあります。


入念にバオバブのつぼみをチェックする職員 2019年8月6日撮影

 バオバブのつぼみは、高さ5mほどの木の頂部についています。現在のところ、2つのつぼみが確認できました。

 バオバブの花は、一日花です。アフリカやマダガスカル産のバオバブは夜開性ですが、オーストラリアバオバブについてはまだよくわからないところがあります。今回、もし開花すれば、開花までの日数や、開花時刻、1花がどれくらい持つのか、さまざまな情報を得ることができます。


2019/08/05

虫を捕まえる!! 食虫植物展開催中

ウツボカズラ 令和元年8月4日撮影

 7月20日(土)~8月18日(日)まで、展示温室において世界の食虫植物展を開催しています。今年で41回目となる歴史のある展示です。広島食虫植物同好会の会員さんと植物公園のコレクション、合わせて約190点を展示しています。虫を捕らえて食べる植物の不思議な生態と奇抜な形をぜひご覧ください。

ハエトリソウ 令和元年8月4日撮影
ヨツマタモウセンゴケ 令和元年8月4日撮影

 食虫植物が虫を捕まえる仕組みには次の4つがあります。
  • 粘着式
    • 葉に粘り気のある器官(粘液毛、腺毛)があり、虫が止まると動けなくなるもの
    • モウセンゴケ、ムシトリスミレなど
  • はさみわな式
    • 虫の動きを感じて反応して、葉を閉じたりしてはさみこむもの
    • ハエトリグサ、ムジナモなど
  • 落とし穴式
    • 葉の一部が袋状や筒状になり、中に落ちた虫を消化するもの
    • ウツボカズラ、サラセニアなど
  • 袋わな式
    • 水中で袋の中に虫を吸い込むもの
    • タヌキモ
食虫植物のビオトープ 令和元年8月4日撮影
展示の様子 令和元年8月4日

食虫植物実演会(8/4)

8月4日(日)には、広島食虫植物同好会の安西秀礼氏による食虫植物実演会が開催されました。捕虫様式の解説や実際に捕まえられた虫を示しながら解説が行われ、多くの子供達が興味深く聞いていました。
 実演会に合わせて食虫植物の即売会も行われ、多くの方が熱心に見ていました。

実演会の様子 令和元年8月4日撮影

 8月13日(火)には、職員による植物うんちくガイド「フクシアと食虫植物のはなし」がありますので、興味のある方はご参加ください。 

ヒマワリの迷路

 森のレストランのすぐ隣にある花の迷路では、ヒマワリが満開です。

ヒマワリの迷路 令和元年8月4日撮影

 ここ数年間、サマーフェア期間中は、キバナコスモスの迷路にしていましたので、ヒマワリの迷路は数年ぶりの復活です。約1,000本のヒマワリに囲まれて、迷路を楽しんでみませんか?


ヒマワリの迷路の中 令和元年8月4日撮影

 この迷路には、サンフィニティーという、お子様の背丈ほどの品種を植えています。花は小さめながら、長期間にわたってたくさん咲き続けます。見ごろは8月いっぱいの予想です。


2019/08/04

園長のおすすめ(ブルボフィルム・ロビー)

ブルボフィルム・ロビー(花)
ブルボフィルム・ロビー Bulbophyllum lobbii Lindl.

 ブルボフィルム・ロビーは、ミヤンマーからタイ、インドネシアにかけての熱帯アジアに自生する着生ランです。日本に分布するムギランと同じマメヅタラン属に分類されていて、葉や偽鱗茎の形はよく似ていますが、その大きさは全く異なり、花も5cm以上になります。
 この属には、独特で面白い形をした花をつける種類がたくさんあります。特にラン科特有の唇弁には、「関節」と呼ばれる構造があって、風にゆらゆら揺れています。じっくり観察してみてください。

2019/08/03

サギソウ4000株の乱舞

サギソウの花 令和元年8月1日撮影

 サギソウの花が園内で乱舞しています。サギソウは日当りのよい湿地に生ずる野生ランです。繊細なつくり、清楚な姿はいかにも日本のランにふさわしく、夏に咲いてすがすがしく感じます。本園のシンボルマークとして愛されている植物でもあります。フクシア温室周りの特設コーナーに4,000株を展示しており、今月中旬ごろまでが見ごろです。

サギソウの乱舞 令和元年8月1日撮影
植物公園ロゴマーク