バレンタインに恋なすび
広島市植物公園ブログ
2018/02/01

バレンタインに恋なすび

2018年2月1日撮影 マンドレイク(Mandrake autumnalis)の花
  恋なすびことマンドレイクは、地中海沿岸地域に自生する多年生植物です。最近では、ハリーポッターで取り上げられたことで有名になりましたが、古代より様々な伝承や伝説が残されている「いわれのある植物」でもあります。マンドレイクには、薬用として用いられた春咲きのもの(マンドラゴラ・オフィシナルム)もありますが、現在開花しているのは、秋咲きのもの(マンドラゴラ・オータムナリス)です。

さてルベンは麦刈りの日に野に出て、野で恋なすびを見つけ、それを母レアのもとに持ってきた。ラケルはレアに言った、「あなたの子の恋なすびをどうぞわたしにください」。旧約聖書(30章14節)
旧約聖書の創生記の一節にあるように、マンドレイクの果実に受胎作用があると考えられており、古代~中世ヨーロッパでは不妊や恋愛の妙薬として用いられていたようです。今日では、アルカロイド類を多く含むのでもっぱら観賞用の有毒植物として扱われています。決して、口に入れたり、根を引き抜いたりしないで下さい。

2018年2月1日撮影 マンドレイクの展示
展示資料館入口の自動ドアの横に展示しています。
つぼみが次々と上がっているので、暫くの間鑑賞できます。
恋なすびの「なすび」(果実)も膨らんできています。

2018年2月1日撮影 マンドレイクの果実(未熟)