園長のおすすめ(パフィオペディルム・グラウコフィルム)
広島市植物公園ブログ
2019/01/30

園長のおすすめ(パフィオペディルム・グラウコフィルム)

パフィオペディルム・グラウコフィルム
Paphiopedilum glaucophyllum J. J. Sm.

 インドネシア・ジャワ島原産の地生ラン。長さ15~25㎝の花茎に複数の花をつけ、1花ずつ順に開きます。花は径8~9cm、白い毛を密生し、ねじれた側花弁が特徴です。

(園内位置:フクシア温室)
広島市役所で研究発表を行います(2/13)
広島市植物公園ブログ
2019/01/29

広島市役所で研究発表を行います(2/13)

植物公園発表者の髙井敦雄 課長補佐(管理課企画広報係)

 2月13日(水)14時から、広島市役所2階講堂において、第15回 安佐動物公園・植物公園・昆虫館 研究活動発表会を行います。参加は無料、申し込みも不要です。植物公園からは、髙井敦雄 課長補佐(管理課企画広報係)が大温室のリニューアルについて報告します。
  • 日時:平成31年2月13日(水)14時~16時
  • 会場:広島市役所2階講堂(駐車場に限りが有ります。公共交通機関でお越しください)

発表内容(要旨PDF)

  1. 平成30年7月の豪雨災害による被害と休館中のイベント、今後の展開について
    (こんちゅう館 百野 直実)
  2. 広島市植物公園大温室リニューアルについて
    (植物公園 髙井 敦雄)
  3. 安佐動物公園で50 年後もユーラシアカワウソ(Lutra lutra chinensis)を展示するために~ブリーディング・ローンの成果を次代につなぐ~
    (安佐動物公園 屋野丸 勢津子)

会場の様子


第14回 研究活動発表会(平成30年2月8日)
第13回 研究活動発表会(平成29年2月23日)

周辺地図


日本庭園の美しい雪吊り
広島市植物公園ブログ
2019/01/26

日本庭園の美しい雪吊り

 広島の平野部では、今年初めて本格的に雪が降りました。 雪が降ると、普段の植物公園とは全く違う光景になります。

日本庭園の雪吊り(2019年1月26日撮影)
 
 日本庭園の松に雪吊りを設置しています。雪吊りは、豪雪地帯で枝が雪の重みで折れるのを防ぐために行われてきた技術で、金沢の兼六園の雪吊りは特に有名です。

松の枝に結ばれた縄(2019年1月26日撮影)

 長い歴史の中で、冬でも庭園が鑑賞に耐えるよう、機能的なだけでなく、装飾的にも洗練されてきました。当園の雪吊りは、担当者が兼六園まで出向いて技術を習得し、今シーズン初めてお披露目となりました。

八重寒紅と雪吊り(2019年1月26日撮影)

 雪が降りしきり無彩色な風景の中、八重寒紅の紅色が冴えます。

雪吊りと紅白梅(2019年1月26日撮影)

 日本庭園にある池の左側には「八重寒紅」、右側には「冬至」があり、どちらの梅も見頃です。雪吊りの奥にはしだれ梅がありますが、こちらの見頃は2月末から3月頃になりそうです。
熱帯スイレン温室の現況(1/26)
広島市植物公園ブログ

熱帯スイレン温室の現況(1/26)

植え付け直後の熱帯スイレン 平成31年1月26日撮影

 昨年の12月19日に完工した熱帯スイレン温室の現況ですが、熱帯スイレンの植え付け作業を行っています。また、大温室に展示していた食虫植物も元々の場所に戻りました。残された大きな作業はオオオニバスの植え付けのみとなります。2月中旬には植物の植え込みが完了する予定です。

現在の熱帯スイレン温室の様子 平成31年1月26日撮影
壁面を彩るアナナス類 平成31年1月26日撮影

 壁面の装飾も着々と進んでいます。大温室と同じく、開放的な温室に生まれ変わりました。室温が高いので、雪の日でも中は快適です。

食虫植物コーナー(北側出口) 平成31年1月26日撮影
天井から垂れ下がるウツボカズラ 平成31年1月26日撮影

 食虫植物コーナーの移動もほぼ終わりました。ウツボカズラ、ハエトリグサ、ミミカキグサのなかまなど多くの食虫植物をご覧いただけます。また、ハエトリグサの巨大模型もあり、一緒に写真撮影もできます。

見どころ案内 第401号
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見どころ案内 第401号


熱帯スイレン温室の現況(1/23)
広島市植物公園ブログ
2019/01/23

熱帯スイレン温室の現況(1/23)

水を張る途中のオオオニバス池 平成31年1月23日撮影
蛇口から噴き出る水 平成31年1月23日撮影

 昨年の12月19日に完工した熱帯スイレン温室の現況ですが、オオオニバス・熱帯スイレンのプールに水を張り始めました。加温すると、水温は25℃~28℃になります。一般的な温水プールの水温とほぼ同じです。

 オオオニバスの原産地は南米のアマゾン川流域ですので、大きなサイズの株を育てるためには加温が欠かせません。これから、オオオニバス・熱帯スイレンの植え付け作業が始まります。

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園長のおすすめ(ジゴペタルム・インテルメディウム)
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園長のおすすめ(ジゴペタルム・インテルメディウム)

ジゴペタルム・インテルメディウム Zygopetalum intermedium Lindl.

 南米のペルー、ボリビア、ブラジルに分布する大型の地生ラン。草丈は50~60cmに達し、直立する花茎に3~8花をつけます。花は径7~8cmで、香りがあります。

(園内位置:フクシア温室)
植物よもやま話:干支の植物「猪首苔・猪切茅」
広島市植物公園ブログ
2019/01/22

植物よもやま話:干支の植物「猪首苔・猪切茅」

 植物よもやま話は、見どころ案内や花ごよみでは紹介しきれなかった園内の植物について、広報担当の職員が紹介するコラムです。不定期で更新する予定です。

 4回目の更新では、干支(イノシシ)に因んだ植物「猪首苔(イクビゴケ)・猪切茅(シシキリガヤ)」を紹介します。なお、今回紹介する植物は園内の植栽ではありませんので、悪しからずご了解ください。

イクビゴケ 平成31年1月20日撮影(広島県呉市)


  • 和名:イクビゴケ(猪首苔)
  • 学名:Diphyscium fulvifolium Mitt.
  • 原産地:東アジア(日本、朝鮮、中国~フィリピン)

  •  広島県では、山道の脇などの林縁部の腐植土上で、時々見かけるコケです。ムギ粒をばらまいたように見えるのは、イクビゴケの胞子体(蒴:さく)。胞子体が大きく、また柄がほとんどなく葉にうずもれている様子から、首が太くて短い「猪首」になぞらえて名前がついたようです。

    ヒトモトススキ 平成31年1月20日撮影(広島県呉市)


  • 和名:ヒトモトススキ
  • 別名:シシキリガヤ(猪切茅)
  • 学名:Cladium chinense Nees
  • 原産地:日本、朝鮮南部・中国~マレーシア・オーストラリア

  •  ヒトモトススキは日本に分布するカヤツリグサ科の植物では最大のものであり、株丈は2 mを超えます。沿岸部の湿地や湖沼などで観察することができ、1本の茎から多くの葉が束生します。別名のシシキリガヤは葉の表面に鋸状の歯があり、猪の肉も切れるということから。写真からもわかるように、地下茎が発達して大きな株になると、通り抜けるのも一苦労です。コシダやウラジロの群落を踏査するのも大変ですが、ヒトモトススキの群落は怪我なしで通り抜けるのは至難の業です。

     今回紹介した「猪首苔・猪切茅」のほかに、イノシシに因んだ植物としては、イノコヅチ(猪子槌)やシシウド(猪独活)などがあります。
    熱帯スイレン温室の現況(1/21)
    広島市植物公園ブログ
    2019/01/21

    熱帯スイレン温室の現況(1/21)

    オオオニバスの土づくり(途中) 平成31年1月16日撮影

     昨年の12月19日に完工した熱帯スイレン温室の現況ですが、オオオニバス・熱帯スイレンの土づくりが佳境を迎えています。まもなく水を張り、苗の植え付けを行っていきます。2月中旬には植物の植え込みが完了する予定です。

    熱帯スイレンを植える大鉢の移動 平成31年1月16日撮影

     熱帯スイレンを植える予定の大鉢を4人がかりで移動しています。位置決めが終わった後に、植え付け用の用土を順次入れていきます。

    植え付けに用いる田土(握ると固まり、水分を保持する)
    オオオニバスの土づくり(ほぼ完成) 平成31年1月21日撮影

     熱帯スイレン・オオオニバスの植え付けには田土を使います。藁や雑草などの夾雑物を取り除いた後に、肥料や石灰などを混ぜ、よく混ぜると完成です。

    壁面を飾るトラフアナナスの準備 平成31年1月16日撮影

     熱帯スイレンの壁面を飾る観葉植物の準備も行っています。トラフアナナスなどのパイナップル科の観葉植物やアサヒカズラなどのつる植物でにぎやかに彩ることになりそうです。食虫植物コーナーも随時移動を行っています。

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    冬の鉢花展 開催中(~2/11)
    広島市植物公園ブログ
    2019/01/17

    冬の鉢花展 開催中(~2/11)


    シクラメンと冬の鉢花の展示

     1月12日(土)~2月11日(月・休)にかけて、冬の鉢花展を展示温室にて開催しています。真冬にもかかわらず、温室で元気に咲くカランコエ(44種155鉢)や冬の鉢花(40種112鉢)を展示しています。見どころを、一部紹介します。


    冬の鉢花の寄せ植え(コンテナガーデン)

     冬の鉢花展では、家庭で楽しめる冬のガーデニングを提案しています。様々な鉢(コンテナにプリムラ、リーガースベゴニア、エリカなど冬に楽しむ植物を装飾。12月に開催したクリスマスを飾る植物展でも使用した花材もありますが、組み合わせを変えることで雰囲気が大きく変わっています。

    カランコエのミニタワー
    カランコエ 雷鳥
    カランコエ 黄金月兎耳、月兎耳 平成31年1月16日撮影

     この展示会のメインは、当園の保有するカランコエコレクションの展示です。まだつぼみの株が多いのですが(1/16)、これから次々と咲いていきます。花だけでなく、葉や株の姿もユニークなものが多く、お楽しみいただけます。写真の月兎耳(つきとじ)は葉や茎の表面にやわらかな毛がはえていることから、「ウサギの耳」に例えた名前がつけられています。隣のサボテン温室にも展示がありますので、あわせてどうぞ。


    オオホウカンボクの開花(大温室)


    オオホウカンボク Brownea grandiceps Jacq. 平成31年1月16日撮影
     
     大温室のフラワーコーナーでは、マメ科のオオホウカンボク(Brownea grandiceps Jacq.)が初開花しました。大温室のリニューアルに合わせて沖縄から導入した株です。現在、2輪咲いています。開花期間は短いので、お早めにご覧ください。
    園長のおすすめ(カトレヤ・トリアナエ)
    広島市植物公園ブログ
    2019/01/16

    園長のおすすめ(カトレヤ・トリアナエ)

    カトレヤ・トリアナエ Cattleya trianae Linden et Rchb. F


     南米・コロンビア原産の、大輪花を咲かせる美しい着生ラン。花径は15~18cm、色彩の変化に富み、この種から多くの園芸品種が生み出されています。

    (園内位置:フクシア温室)

    野鳥観察会を実施しました
    広島市植物公園ブログ
    2019/01/15

    野鳥観察会を実施しました

    解説の様子(講師は安佐動物公園の大丸秀士元園長)
    観察会の様子

     2019年1月14日10時から12時にかけて、植物公園野鳥観察会を実施しました。講師は安佐動物公園の大丸秀士元園長。天候に恵まれ、42名の参加者と園内の野鳥観察を行いました。まずは、講堂で双眼鏡の基本的な使い方や野鳥の生態などのわかりやすいレクチャーを受け、いよいよ観察に出発。
     今日の観察会ではヤマガラやシジュウカラなどのカラ類が多く見られました。また、上空の高いところではトビやミサゴなどが滑空していました。
     園内にはため池(うらら池)もあり、よく水鳥が休んでいます。来園の際にはぜひ覗いてみて下さいね。

    観察会で確認できた鳥類



    名前観察数
    ヒヨドリ10+
    メジロ5+
    モズ1
    オオタカ?1
    ミサゴ1
    トビ1
    キジバト3
    アトリ20±
    ヤマガラ
    シジュウカラ
    ハシブトガラス1
    ジョウビタキ1

    参考


    ・講師業績一覧(個人ホームページ)


    見どころ案内 第400号
    広島市植物公園ブログ
    2019/01/12

    見どころ案内 第400号


    植物写真コンテスト 総評 
    広島市植物公園ブログ
    2019/01/06

    植物写真コンテスト 総評 

     第42回広島市植物公園植物写真コンテストの総評を公開します。作品作りの参考にご覧ください。なお、入選作品の展示会は1月12日(土)~2月5日(火)の会期で行います。
    ・第42回広島市植物公園植物写真コンテスト 総評(PDF)

    総評



     【二科会写真部理事・全日本写真連盟関西本部委員 秋田隆司】

     生き生きとした花々の発芽から開花に至るきめ細やかな映像記録を、見事に写し止められた数多くの応募作品、四季の気温を感じながら、日々成長しているその生態への新しい視点、花々の種類・呼称、咲いている時期など、皆さん方の鋭い観察眼、新しい視点作品が多く見受けられました。
     一点一点その視点に感動を覚えながら、植物園担当の方に花の正式呼称や特徴、開花時期などを、お尋ねしながら理解を深め、開花状態・蕾と色合いのバランス、ピント深度・背景処理などの諸条件をふまえて一点一点選出させていただきました。明るい色調でホットさせる幸せ、やすらぎ感の伝わる作品が、上位に選ばれました。
     スナップ写真に家族団らんの微笑ましい団らん写真を期待します。



    【芸北写真塾主宰・ 紺野 昇】

     カメラがどんなに進化しても機器に感性を持たせることは不可能なのです。シャッターを押せば写るのですが、写真は人それぞれが持っている感性で写すものです。「写る」のと「写す」のは違うのです。カメラを手にすれば心に残る写真が撮りたいものです。画家が目の前に広がる景色をどう表現するか。画面構成は画家の意図です。写真も画面構成は撮影者の意図で決まるのです。撮影ポイントの決定から画面構成に至るまで、それぞれの持つ感性が重要な役割を持ちます。感性は10人10色、色さまざまです。良い写真だと思わせる最終判断の基準はその作品の持つ印象度だと思います。印象深い作品の多くは単純化されたものです。
     今回、最優秀賞になった「御衣黄」。色は2色。華やかさには欠けるかもしれませんが、作品の前から立ち去りがたい不思議な魅力を持った作品です。
    特選の4点もそれぞれ印象度の強い作品です。「ファミリー」の西洋絵画的な手法で見事な表現です。「赤い魅力」。赤と黒の組み合わせが秀逸。「フェイス」は擬人化した仕上げは見ることからさらに進んで「観る」に進化した観察眼が素晴らしい。「闇に咲く」は熟練者の作品と言った感じで素敵。
     今回も気になったのは写真につけられたタイトル(キャプション)の味気無さです。タイトルは見る人が写真の核心に迫るための大切な道しるべです。軽んじてはなりません。
    園長のおすすめ(バンダ・トリコロール)
    広島市植物公園ブログ

    園長のおすすめ(バンダ・トリコロール)

    バンダ・トリコロール Vanda tricolor Lindl.

     インドネシアのジャワ島に分布する大型の野生ラン。樹木などに着生し、草丈1mに達します。花は径5~7cm、葉腋から伸びる花茎に多数付き、花もちがよく、香りがあります。

    (園内位置:大温室・フラワーコーナー)

    植物公園花ごよみ(1月5日号)
    広島市植物公園ブログ
    2019/01/05

    植物公園花ごよみ(1月5日号)

    園長のおすすめ(デンドロキルム・グルマケウム)
    広島市植物公園ブログ
    2019/01/01

    園長のおすすめ(デンドロキルム・グルマケウム)

     新年あけましておめでとうございます。

     今年は新しくなった大温室と熱帯スイレン温室を舞台に、2月23日から3月3日まで、「世界の蘭と熱帯の花フェスタ」を開催します。珍しい野生ランや色鮮やかなトロピカルフラワーとの出会いをぜひご体験ください。

    デンドロキルム・グルマケウム Dendrochilum glumaceum Lindl. 

     フィリピン原産の小型の野生ラン。草丈20~30㎝で、樹木などに着生します。葉の付け根から長さ20㎝ほどの花茎を伸ばし、多数の小花を整然と並べます。花は径1㎝くらいで、香りがあります。

    (園内位置:フクシア温室)