今日の植物公園[5月11日号]:バラの品種紹介
広島市植物公園ブログ
2021/05/11

今日の植物公園[5月11日号]:バラの品種紹介

本日の話題:バラの品種紹介   

 今まさに見頃を迎えているバラ園から、いくつかの品種を取り上げてみたいと思います。

 当園のバラ園の特徴として、品種数の多さが挙げられます。バラ園には約1000株ほどのバラが植栽されていますがその品種数は700種類ほどになり、1品種につきおよそ1株ずつ植えられている計算になります。

 一般的に普及している品種のほか、「アーリーモダンローズ」と呼ばれる戦前に作出されたモダンローズの系統や、各種オールドローズ、世界各地から収集した野生種、世界各国から広島市に寄贈された品種など、植物園ならではのコレクションをご覧いただけます。

品種紹介


ラ・フランス

 ラ・フランスが作出された1867年以前からあった系統をオールドローズ、1867年以降に育成された系統をモダンローズと呼び区別されるようになるなど、バラの歴史の中で記念碑的存在です。それまでのバラにはなかった四季咲き性を実現し、のちにハイブリッドティーと呼ばれる系統を確立しました。ふっくらとしたピンクの花は見た目もさることながら素晴らしい香りを備えています。


ジャストジョーイ

 ゆったりとした雰囲気の大輪花で、フリル状に波打つ花びらが特徴です。その色合いと花の大きさから、バラ園でもよく目を引きます。1994年に世界ばら会連合の「栄誉の殿堂入り」を果たした名花です。

天の川

 バラ育種家の鈴木省三氏が作出し、日本人として初めて国際コンクール入賞を果たした歴史的品種です。濃い緑の葉に映える一重の黄花は、まさに輝く星のようです。
リージャンロードクライマー

 中国は麗江(リージャン)の道路沿いで植栽されていたところをイギリスのプラントハンターに見出された品種。非常に生育旺盛なつるバラで香りも良いため、バラ園の見どころとなっています。バラ園全体の見頃(5月中旬ごろ)に先駆けて4月の終わりごろから咲き始め、大型連休の頃に見頃を迎えます。
ロサ キネンシス ミニマ
 モダンローズに四季咲き性をもたらしたロサ キネンシスのわい性種で、現在のミニバラのルーツとされています。先述のリージャンロードクライマーと比較すると非常に小型で、草丈は30cmほどに収まります。同じバラといってもこのように様々な大きさのものがある点がバラ園芸に豊かな楽しみをもたらしているといえるでしょう。
カザンリク

 バラは花壇園芸のみならず香料の原料としても栽培されます。カザンリクはブルガリアで香料用のバラ栽培に用いられている品種で、豊かな香りを含む花を多数咲かせます。

おわりに

 バラ園でご覧いただける品種をいくつかご紹介しましたが、まだまだ紹介しきれないほどたくさんの品種があります。今後もブログ等を通じて、バラ園の様子をお届けしていきたいと思います。