今日の植物公園[4月26日号]
広島市植物公園ブログ
2020/04/26

今日の植物公園[4月26日号]

本日の話題:日本庭園の花

 今日は日本庭園で咲いている花についてご紹介します。

 年明け後の日本庭園では梅を皮切りに、ハナモモ、ユキワリイチゲ、ミツマタ、ミズバショウなどが順に咲いていましたが、現在は白花のフジが見頃を迎えています。

ヤマフジ ‘シロカピタン’ 令和2年4月26日撮影


 ‘シロカピタン’は房の短いヤマフジの園芸品種で、漢字で書くと「白花美短」。シロカビタンがなまってシロカピタンになったと言われています。近づいてみると羽音が聞こえます。忙しそうにクマバチが飛び交っていました。

フジの花に訪れたクマバチ

 フジの花の下にはミヤコワスレが咲いています。漢字で書くと「都忘れ」。名前の由来は、鎌倉幕府討伐の承久の乱で敗れ、佐渡に島流しされた順徳上皇が「この花を見ていると都の事を忘れられる」と仰られたとか・・・ 実際は園芸業者が売り出すために名付けたのが真相のようです。

ミヤコワスレの花 令和2年4月26日撮影

 日本庭園東側では、観賞用のハナモモの園芸品種キクモモが咲いています、細長い多くの花弁をもつキクの花に似ているところからキクモモと呼ばれています。濃いピンク色の花は遠くからでもよく目立ちます。

キクモモ(手前中央の植物) 令和2年4月26日撮影

 日本庭園の奥に行く途中、ヤエヤマブキが咲いていました。うす暗い道端でもよく目立ち、なかなか魅力的な色です。絵の具に「やまぶきいろ」があるのも個人的には納得です。

ヤエヤマブキの花 令和2年4月26日撮影

 ヤエヤマブキを通り過ぎ、さらに奥に行くとエビネが可憐な花をひっそりと咲かせていました。開園していれば、平日でもカメラマンがいる時期なのですが、残念ながら誰もいません。

人がおらずひっそりと咲いているエビネ 令和2年4月26日撮影

 エビネの花の前後にはシャガが咲いていました。シャガは中国原産で古くに日本にやってきて野生化したと言われています。人里近くの湿った山すそでよく見かけます。

シャガの花 令和2年4月26日撮影

 来月下旬頃からはハナショウブやアジサイが見頃を迎えます。例年多くの人で賑わいます。その頃には、開園していることを願わずにはいられません。

おまけ

 エビネやシャガを見終わって戻る途中、池を見るとカメが甲羅干ししていました。カメだけではつまらないと待つこと5分、コイが現れました。その時撮った写真がこれ。

カメと2匹のコイ