Q&A 4.花後の強剪定で樹勢が弱った
広島市植物公園ブログ
2019/07/03

Q&A 4.花後の強剪定で樹勢が弱った

Q.落葉花木を花後の4月中旬に強剪定したら弱ってしまいました。何が悪かったのでしょうか。

A.一般に、落葉樹の剪定は、樹が休眠している冬の落葉時期に行います。あるいは、前年の秋までに伸びた枝に花芽を付けるタイプの花木(トサミズキなど)では、花が終わってから次の花芽ができる前も剪定の適期に当たります。ですが、開花直後のまだ出葉したばかりの新芽が固まっていないときに、太い枝を剪定すると、樹勢が弱ることがしばしばあります。なぜなら、春先は活発に成長しているために樹液が大量に流れ出てしまうからです。したがって、4月の剪定はまだ早いと考えられ、新芽の枝が硬くなる5~6月に剪定することをおすすめします。ただ、あまり遅くなると、花芽を落とすことになりかねないので注意します。

 一方、冬剪定では、花芽ができているので、樹形を観察しながら、枯れ枝や不要な枝、太い枝、交差している枝や混み合った小枝を切っておくとよいでしょう。休眠中は樹液の流れがほとんどないので、強剪定が可能です。葉を落としている時期は、枝の混み具合など、姿がよく分かるはずです。

 放任すると樹高が高くなりすぎるので、生垣にしている場合は、花が目線の高さに来るように、計画的に剪定を行いましょう。

 [文 島田有紀子]


強剪定したトサミズキ 令和元年7月2日撮影

出展:はなの輪第160号 プラントドクターQ&Aより

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