植物よもやま話:「ハンゲショウ」
広島市植物公園ブログ
2019/06/20

植物よもやま話:「ハンゲショウ」

 植物よもやま話は、見どころ案内や花ごよみでは紹介しきれなかった園内の植物について、広報担当の職員が紹介するコラムです。不定期で更新する予定です。

 6回目の更新では、葉が化粧をする植物「ハンゲショウ」を紹介します。花の進化園の入り口(右側)に植栽しています。

ハンゲショウの苞葉 令和元年6月20日撮影

 ハンゲショウ(半夏生)は東アジアの湿地や水辺に自生するドクダミ科の多年草です。開花期がちょうど七十二候のひとつである「半夏生」(夏至から11日目、今年は7月2日)に当たることから、ハンゲショウの和名がついています。また、大温室で咲いているコショウのような地味な花をつけるのですが、昆虫を誘うために一番上の花芽を包む葉(苞葉)が白く変化します。株全体の半分が化粧をしていることから、「半化粧」と呼ばれるようになったという説もあります。

 県内では、宮島などの島嶼部・沿岸地の低湿地に自生がありますが、全国的に生育地の開発により数が減ってきています。大切にしたい季節の植物です。