園長のおすすめ(カトレア・シレリアナ)
広島市植物公園ブログ
2021/10/31

園長のおすすめ(カトレア・シレリアナ)

カトレア・シレリアナ Cattleya Schilleriana

 国旗を思わせる色合いが人目を惹くカトレアです。豪華な花と言うイメージが強いカトレアですが、この種類はブラジルに原産するインターメディアとプルプラタという2種の野生種を交配したもので、改良が進んだ品種にはない魅力を感じさせます。

 この花は、現在開催中のラン展で植物公園園長賞を受賞しています。

(園内位置:展示温室[秋の洋ラン展])
見どころ案内 第517号
広島市植物公園ブログ
2021/10/30

見どころ案内 第517号

見どころ案内 第517号(2021年10月30日発行)
熱帯スイレン温室の熱帯性スイレン②
広島市植物公園ブログ

熱帯スイレン温室の熱帯性スイレン②

 熱帯性スイレンには、一般的な昼に花を咲かせる昼咲き種以外に、夜開性の夜咲き種があります。それらは、原種Nymphaea lotusN.pubescensの交配種からなる夜開性の品種たちです。夜開性種は日没後に開花し始め、翌朝10時頃まで開いています。夜間開園の時や朝一番開園直後にはその開いた姿を見ることができます。

 スイレン温室では、大型になりスイレン鉢では作りにくい夜開性のスイレンも育てています。2回目の今回はそんな夜に開くスイレンたちを紹介したいと思います。

熱帯性スイレン ロツス

熱帯性スイレン プベスケンス(ルブラ)

 上に示したのは「ロツス」N.lotusと「プベスケンス」N.pubescensです。一般的な夜開性スイレンの原種はこの2種です。ロツスは白花、プベスケンスは白、ピンク、赤花(ルブラと呼ばれる)があります。夜開性スイレンの葉は鋸歯がハッキリしてゴワゴワとした触感です。昼開性の種よりも株が巨大な傾向があり、葉も脆く乾きやすいため、スイレン鉢での栽培には向きません。

 原種に白、ピンク、赤しかないため交配種もこの3色しかなく、品種ごとの特徴が小さいです。そのため品種が混ざってしまうと簡単に見分けがつかなくなってしまいます。その中でも特徴的な夜開性品種を紹介していきます。

熱帯性スイレン レッドフレア

 「レッドフレア」は、夜開性品種の中で最も赤い品種です。美しい銅葉の葉と赤い花のバランスの良い、いい品種です。

熱帯性スイレン アンタレス

 「アンタレス」は、赤みが強い品種で、特別に花上がりが良い品種です。5号鉢に植え、50~60 cmぐらいのスイレン鉢を用意すれば、何とかスイレン鉢でも栽培できる(花がそれなりに上がる)品種の一つです。

熱帯性スイレン ミズーリ

 「ミズーリ」は、超巨大な花を咲かせる夜開性品種です。花弁には脈に添ってしわが入ります。花上がりは緩慢で週に1回ぐらい咲くと良いぐらいのペースです。

熱帯性スイレン マルーンビューティー

 「マルーンビューティー」は、巨大なピンクの花を咲かせる夜開性品種です。花弁が長く、中央の色が薄いため、豪華な印象の花です。花上がりは緩慢で、週に2回ぐらい咲くと良いぐらいのペースです。

熱帯性スイレン サーガラハッド

 「サーガラハッド」は、緑の葉に白い花の夜開性品種です。次々と花を咲かせる花上がりのよい品種です。ロツスと比べると花弁の先が丸いです。朝遅く10時頃まで花を咲かせているので比較的花を見やすい品種です。

Nymphaea sp.[subgenus Hydrocallis](Peru)

 実は夜開性の熱帯スイレンにはもう一つ系統があります。それが中南米に生育する、ヒドロカリス亜属のスイレンたちです。ヒドロカリス亜属のスイレンは、開花時間が数時間と短く、深夜になってから花が開く種が多いため、園芸的にはあまり利用されていません。この種は浮き葉が赤く、花がなくても見ごたえがあるため、水槽用の水草として日本に導入されたものです。この種の開花は7時半~10時頃までの2時間ほどで、開花2日目の花しか完全開花しません。

 いかがでしたでしょうか。

 夜開性スイレンを夜に見ることができる夜間開園を11月の後半から12月の土曜日に予定しています

  • 予告:花と光のページェント~クリスマス夜間開園~
    • 11月27日(土)
    • 12月4日(土)、11日(土)、18日(土)、25日(土)
      • 午後8時まで開園時間を延長

 ぜひとも、暗い中でぼおっと咲く姿を見に来てください。また、夜が長く、朝が遅くなるこの時期は、朝一番のスイレン温室で、夜開性品種の開いた姿を見られる時間が長くなります。ぜひ朝一番に熱帯スイレン温室へ足を運んでいただけたらと思います。
熱帯スイレン温室の熱帯性スイレン①
広島市植物公園ブログ
2021/10/28

熱帯スイレン温室の熱帯性スイレン①

 屋外のスイレンシーズンは終わってしまいましたが、熱帯スイレン温室では熱帯性スイレンの花を一年中楽しむことができます。今後3回に分けて、スイレン温室で見られる熱帯性スイレンとその裏側についてお伝えしたいと思います。

 今年度、新しい品種をスイレン温室に導入しました。初回の今回は新たに導入したものを中心に、スイレン温室の熱帯性スイレンの品種を紹介したいと思います。

 現在、熱帯スイレン温室では50を超える品種を保有しています。プールでのびのび育った熱帯性スイレンは株径2~3 mを超える巨大な姿をしており、品種によっては20 cm近い巨大な花を咲かせます。

熱帯性スイレン フォックスファイヤー

 上に示したのは「フォックスファイヤー」という品種でIWGS(国際スイレン協会)主催のコンテストで2004年に最優秀賞を受賞した品種です。一枚の葉が50㎝程度の大きさになるため、一般的なスイレン鉢では育てるのが困難な巨大種の一つです。

 熱帯性スイレンの品種改良の歴史は比較的浅く、20世紀になってから本格的な育種が始まりました。様々な原種を掛け合わせ、花形や性質などの異なる品種が作られています。

熱帯スイレン アバランチ

 上の写真の「アバランチ」(2006年IWGS最優秀賞)は、交配元は明らかになっていませんが、おそらく原種Nymphaea amplaを交配親に使用した品種の一つです。雄しべが弁化し、中央部が盛り上がって見える「丁字咲」の花形になります。この品種を作出したプレスネル氏がリリースした「ジェニファープレスネル」や「レイチェルプレスネル」、また、先程紹介した「フォックスファイヤー」も似た花形をしているため、N.amplaの血を感じます。

 スイレンの魅力は花だけにはとどまりません。その葉には赤茶や黒の斑が入るものも多く、緑との美しいコントラストで水面を彩ります。斑は葉の成長段階によってその濃さが変化していくため、順番に広がる葉の生長を感じることができます。

熱帯性スイレン ウルトラバイオレット

 その中でも特別な葉を持つものが上の「ウルトラバイオレット」(2008年IWGS最優秀賞)です。ワインレッドの濃い銅葉は、濃淡による迷彩模様が入り、他の品種にはない美しさです。

 青、紫、白、黄色、ピンクなどカラフルな熱帯性スイレンは、内側から光っているようなビビットな色合いの品種がたくさんあります。しかし、残念なことに「昼咲きの赤い品種」は無いのです。
 
熱帯性スイレン ブルズアイ

 赤い品種は育種家の悲願の一つです。上の「ブルズアイ」は2007年にリリースされた新しい品種で、現在ある熱帯性スイレンの中では最も赤い品種の一つです。赤というよりは特別濃いピンクですが、これからの育種に期待したいところです。

 熱帯性スイレンの花は株の大きさによって、また品種によってその花弁の数が大きく変わってきます。プールでの栽培ではスイレン鉢では見られないような50枚を超える豪華な花を咲かせる品種もあります。

熱帯性スイレン ブルーアスター

熱帯性スイレン タンザナイト

熱帯性スイレン プラムクレイジー

 「ブルーアスター」は2005年の、「タンザナイト」は2009年の、「プラムクレイジー」は2013年のIWGS最優秀賞を受賞した品種です。広いプールのような場所で、適当な管理を行い、上手に育てるとどれも花弁数が50枚を超えて、全体が盛り上がるような豪華な花を楽しむことができます。 

 いかがでしたでしょうか。 植物公園では、ブログで紹介しきれなかった品種もたくさん導入しています。

 今週末、熱帯スイレン温室のプールで咲く豪華なスイレンたちを楽しんでいただけますと幸いです。
園長のおすすめ(モクキリン)
広島市植物公園ブログ

園長のおすすめ(モクキリン)

モクキリン(杢キリン) Pereskia aculeata Mill.

 熱帯アメリカ原産のサボテン科の植物です。茎はつる状に伸びて長さが10m以上にもなり、楕円形の葉をつける姿は、とてもサボテンには見えません。

 しかし、茎や果実には刺があり、花の形も他のサボテン類に似ています。このモクキリンのような形の種類がウチワサボテンやハシラサボテンの祖先だったと考えられています。

(園内位置:サボテン温室)
今週の植物公園:工芸作物
広島市植物公園ブログ

今週の植物公園:工芸作物

 今回は園内にある工芸作物をいくつか紹介してみたいと思います。工芸作物とは加工、製造工程を経て、製品になる植物のことで、身近な植物だとチャノキが工芸作物になります。

チャノキ(ツバキ科)

令和3年10月26日撮影

 チャノキは主にアジアで広く栽培されている植物で、名前のとおり葉からお茶を作ることができます。
摘採後の発酵過程によりできるものが違い、発酵させないものが緑茶、半発酵させたものが烏龍茶、完全発酵させたものが紅茶になります。

コーヒーノキ(アカネ科)

令和3年10月26日撮影

 コーヒーノキはほとんどが赤道付近のコーヒーベルトと呼ばれる地域で栽培されており、こちらも名前のとおり果実からコーヒー豆を作ることができます。コーヒーの原料となる種はいくつかありますが、アラビカ種とロブスタ種が有名で、アラビカ種はレギュラーコーヒー、ロブスタ種はインスタントコーヒーによく使われています。

サトウキビ(イネ科)

令和3年10月26日撮影

 サトウキビは世界中の熱帯、亜熱帯で栽培されている植物で、茎を搾った汁を精製することで砂糖が作られます。近年ではバイオエタノールの原材料としても使われています。

ワタ(アオイ科)

令和3年10月24日撮影

 ワタは世界各地で栽培されている植物で、実が弾けて出てくる繊維(種子の周囲についているもの)からは木綿(もめん)が作られます。木綿は合成繊維が発明されるまでは衣類の主原料でしたが、今でも衣類を含め布団や座布団などに多く使われています。

アイ(タデ科)

令和3年10月24日撮影

 アイは日本国内にも自生している植物です。葉を発酵させて藍染の染料としていました。今年の大河ドラマ「青天を衝け」にも登場しているので、ご存じの方も多いと思います。

コンニャク(サトイモ科)

令和3年10月26日撮影

 コンニャクは東南アジアや日本の南部に自生している植物で、この塊茎から加工して皆さんがよくご存じの蒟蒻(こんにゃく)が作られます。地上部に見える部分は全て一枚の葉からできており、よく観察すると全て繋がっているのが分かります。
平日のグリーンフェアイベント(講習会等)
広島市植物公園ブログ
2021/10/27

平日のグリーンフェアイベント(講習会等)

 10月30日(土)~11月7日(日)までの9日間、「秋のグリーンフェア2021 in 広島市植物公園」を開催します。期間中の入園料は無料になります(駐車料金は必要です)。 

 期間中の催しの詳細は広島市ウェブページにてお知らせしておりますが、今年は平日にも様々なイベントを企画しています。

 植物公園が担当して企画したイベントを中心に、平日のイベントをまとめて見ましたので、平日にもぜひご来園ください。

平日のグリーンフェアイベント(抜粋)

  • カブトムシやクワガタムシの観察
    〈こんちゅう館コラボイベント〉
    • 11月1日(月)・2日(火)・4日(木)・5日(金)
    • 10時から15時半の間、実施します
  • 植物写真の展示
    • 11月1日(月)・2日(火)・4日(木)・5日(金)
  • 花と緑の講習会(記載のないものの講師は植物公園職員)
    • クリスマスのスワッグ
      • 11月1日(月)10時~、先着10名、参加費1000円
      • 講師:(公社)日本フラワーデザイナ協会広島県支部会員
    • バラの楽しみ方
      • 11月1日(月)13時半~、先着20名
    • 入門!花の写真教室
      • 11月2日(火)13時~、先着30名
      • 講師:新田英樹 氏
    • ベゴニアの楽しみ方
      • 11月2日(火)13時半~、先着20名
    • 山野草の楽しみ方
      • 11月4日(木)13時半~、先着20名
    • 食虫植物の楽しみ方
      • 11月5日(金)13時半~、先着20名

チャレンジ部門 人気投票結果(ガーデニングコンテスト)
広島市植物公園ブログ
2021/10/25

チャレンジ部門 人気投票結果(ガーデニングコンテスト)

 植物公園では、ガーデニングコンテスト作品展を11月3日まで開催中です。

 ガーデニングコンテストひろしま2021では、今週の植物公園で紹介したコンテスト部門に加え、一鉢のコンテナで出品できるお手軽なチャレンジ部門を設けています。今年は、公民館などで花づくりの活動をされている方を中心に、あわせて19名の方に作品を出品いただきました。

 23日(土)・24日(日)にかけて、来園者の方による人気投票を実施した結果、4点の作品が入賞が決まりました。受賞者の皆さま、おめでとうございます! 

ガーデニングコンテスト作品展 会場風景

チャレンジ部門の審査概要 

  • 選考方式:来園者による人気投票 
  • 投票日 :令和3年10月23日(土)・24日(日)
  • 出品作品数:18名19点 
  • 有効投票数:181票

ベストチョイス賞(27票)

No.407 作品名:花畑
  • 出品者 吉森 敦子さん

チョイス賞(24票)

No.402 作品名:命の色
  • 出品者 恵木 結依さん

チョイス賞(18票)

No.403 作品名:おばけのいえへのみち
  • 出品者 古川 寛也さん

チョイス賞(15票)

No.413
  • 出品者 林 祥子さん(藤の木フラワーサロン)
今週の植物公園:ガーデニングコンテスト作品展
広島市植物公園ブログ

今週の植物公園:ガーデニングコンテスト作品展

 植物公園では、毎年この時期に「ガーデニングコンテスト作品展」を開催しています。

 今年は、県内外から44名の方からの応募があり、あわせて46点の作品を会場に展示しています。会期は11月3日(水・祝)までです。

 来週末(30日)の土曜日からは、秋のグリーンフェア期間(10/30-11/7)で入園料が無料になりますので、ぜひ力作の数をご覧ください。

 今週の植物公園では、コンテスト部門の入賞作品をご紹介します。今年のコンテスト部門では10作品が入賞しました。チャレンジ部門は本日(24日)まで来園者の人気投票を実施しています。結果は
No.113 作品名:華やぐ秋
  • 出品者 吉川 美沙さん
  • 審査員コメント
    • ストックとハゲイトウの白赤の対比がアクセントとなり、見応えがあります。デザインとカラーコーディネートのセンスが光る作品でした。

広島県花き商業協同組合理事長賞

No.109 作品名:燃えよ
  • 出品者 鎌田 美紀子さん
  • 審査員コメント
    • ボリューム、フォルムが良かったです。 少しバスケットが見えるので注意するとより素敵な作品になります。

公益社団法人日本フラワーデザイナー協会理事長賞

No.208 作品名:秋
  • 出品者 若宮 妙子さん
  • 審査員コメント
    • 空間の生かし方が良かったです。後ろに花も入って、奥行き感も出ています。

株式会社花満賞

No.213 作品名:ケイトウの揺れる花野で
  • 出品者:シダレンちゃん さん
  • 審査員コメント
    • 大・小の器に秋のイメージ感が感じられて良かったです。

株式会社伊藤商事賞

No.110 作品名:うすくれないの刻
  • 出品者 野田 有久美さん
  • 審査員コメント
    • 全体的なプロポーションが、開花のピークをコンテストに合わせられており、花材の状態も良好です。

住友化学園芸株式会社賞

No.114 作品名:Shine ~光り輝く~
  • 出品者 東田 朋美さん
  • 審査員コメント
    • アキシラリス(西洋イワナンテン)の動きがうまくデザインに使われています。カラーコーディネートや植込み技術も優れています

株式会社ハイポネックスジャパン賞

No.202 作品名:艶(あでやか)
  • 出品者 山本 香里さん
  • 審査員コメント
    • ボリュームがあり、見ごたえがあります。植物の状態もよく、生々している作品です。

日本ハンギングバスケット協会 広島・島根合同支部賞

No.108 作品名:燃ゆる秋
  • 出品者 沖原 裕美さん
  • 審査員コメント
    • 花材の状態が良く、植物が生々としている作品です。

優秀賞(1点)

No.101 作品名:にぎやかな秋
  • 出品者 平野 正勝さん

奨励賞(1点)

No.201 作品名:自然
  • 出品者 栃本 田さん

おまけ

妖怪アマビエのフォトスポット

 屋外展示場では、11月14日(日)まで「キク展」を開催中です。今年は妖怪アマビエをモチーフにフォトスポットを作成しました。中国菊は25日現在咲き始めで、これから続々と見ごろを迎えます。こちらの展示もあわせてご覧ください。
植物公園花ごよみ(10月24日号)
広島市植物公園ブログ
2021/10/24

植物公園花ごよみ(10月24日号)

見どころ案内 第516号
広島市植物公園ブログ
2021/10/23

見どころ案内 第516号

見どころ案内 第516号(2021年10月23日発行)
園長のおすすめ(ガーデニングコンテスト作品展)
広島市植物公園ブログ
2021/10/21

園長のおすすめ(ガーデニングコンテスト作品展)

ガーデニングコンテスト作品展
(Exhibition of works of gardening contest)

 ガーデニングコンテスト2021に出品していただいた作品を展示しています。審査対象になったハンギングバスケット14点とコンテナガーデン13点に加え、気軽に応募していただけるチャレンジ部門の26点です。写真はグランプリに輝いたハンギングバスケット。豪華なボリューム感と印象的な秋色が好評でした。

 また、日本ハンギングバスケット協会広島・島根合同支部会員の方々が製作された「お手本」の作品も展示されていますので是非ご覧ください。

(園内位置:カスケード中段・大温室前)
ガーデニングコンテストひろしま2021  審査結果
広島市植物公園ブログ

ガーデニングコンテストひろしま2021  審査結果

 令和3年10月20日13時より、広島市植物公園ガーデニングコンテストひろしま2021の審査会を開催しました。厳正なる審査の結果、コンテスト部門において、10名の受賞者を決定しましたのでお知らせします。多数のご応募ありがとうございました。

野生きのこ展を開催中です(~10月24日)
広島市植物公園ブログ
2021/10/19

野生きのこ展を開催中です(~10月24日)

過去の展示の様子

 菌と植物のちょっとシュールで深い関係を展示する野生きのこ展を10月16日より展示資料館1階展示室で開催しています。
 現在は野生きのこの写真パネル及び解説パネルのみ、約75点を掲示していますが、23、24日には生の野生きのこが大集合する予定です。また、この時にあわせて※きのこアドバイザーの方が持ち込みきのこの鑑定も行いますので、お手元に気になるきのこがあれば鑑定してもらってみてはいかがでしょうか。

※きのこアドバイザーとは?
 きのこ全般について指導・助言を行う専門家です。日本特用林産振興会が林野庁の助成により研修・登録を行っています。広島県内では11名のみ登録(令和2年度時点)されています。


共  催:広島きのこ同好会
開催日時:令和3年10月16日(土)~24日(日)9:00~16:30
     (24日は15:30まで)
開催場所:展示資料館1階展示室

1 生の野生きのこ展示(23・24日のみ)

過去の展示の様子

過去の展示の様子

2 きのこの鑑定
  持ち込まれた野生きのこの鑑定をします。(23・24日のみ)

3 野生きのこのパネル展示
  きのこの写真パネル及び解説パネル約75枚を展示。

4 きのこグッズ展示

きのこグッズ(令和3年10月16日撮影)
見どころ案内 第515号
広島市植物公園ブログ
2021/10/16

見どころ案内 第515号

見どころ案内 第515号(2021年10月16日発行)
今日の植物公園:サボテン展
広島市植物公園ブログ
2021/10/14

今日の植物公園:サボテン展

  広島市植物公園の展示温室では、令和3年10月24日(日)まで、「サボテン展」を開催しています。

 この展示会では、広島カクタスクラブ会員が愛培したサボテンや多肉植物を約150点展示しています。

*サボテン:サボテン科に含まれる植物をいいます。ほとんどの種が中南米が原産地です。多くの種が乾燥地または半乾燥地に生えています。多くはありませんが、森の中に着生するものもあります。

*多肉植物:乾燥地または半乾燥地に生えている、サボテン科以外の植物の総称です。葉や茎などが多肉化し、乾燥に耐えるための構造をしています。(この部分は扱いが微妙で、乾燥地や半乾燥地産でなくても多肉化しているものも「多肉植物」とされたり、多肉化していなくても乾燥地や半乾燥地に生えているものを含むことがあります。

 

 今回のブログでは、サボテン展で展示している作品の中からいくつかご紹介します。

ロホホラ・ディフューサ
 最近日本で注目を集めているサボテン。つるつるとした灰緑色の肌に白い毛綿が特徴。子株も吹いており、日焼けすることなく大きく順調に育っており、展示会の品評会(10月10日に実施)では「広島市植物公園長賞」を受賞しました。

ガステリア ‛臥牛錦(がぎゅうにしき)’
 幅広の肉厚のダルマ葉に美しい斑模様が特徴の多肉植物(ススキノキ科)。長年の愛培によりきれいに斑が入り、風格ある株姿に育っています。
 品評会で、「広島カクタスクラブ会長賞」を受賞しました。
*美しい斑が入った株に「○○錦」という品種名がよく付けられます。

エキノカクタス ‛金鯱錦(きんしゃちにしき)’
 斑がまんべんなく入り、美しいサボテン。一般的な「金鯱(きんしゃち:エキノカクタス・グルソニイ)」と比べて生長が遅いのにもかかわらず、大きく立派に育っています。これだけ全体に斑が散っている姿は貴重です。
 品評会で「金賞」を受賞しました。

テフロカクタス・モリネンシス
 珍しいサボテン。枝ぶりがよく、丸いリング状の刺座がきれいに並んでいます。高山性なので蒸し暑さに弱く、やや作りにくいが上手に育てています。
 品評会で「銀賞」を受賞しました。

アリオカルプス ‛玉牡丹(たまぼたん)’
 生長の遅いサボテン。長年愛培して大きく育てています。良い環境(光や温度条件)下で管理していることが伝わります。
 品評会で「銅賞」を受賞しました。

 上記の品評会受賞株以外にも、見どころは多数です。

エキノカクタス ‛短刺金鯱(たんしきんしゃち)’
 前述の‛金鯱錦’と同じ金鯱種で、刺が短い個体です。

エキノカクタス ‛狂刺金鯱(きょうしきんしゃち)’
 刺が長くて曲がった金鯱の個体です。
 
 金鯱は、よく栽培されているサボテンで、実生(種子からの栽培)もよく行われています。このような苗から、違いがある個体が出ることがあります。
種子から育てている金鯱

 下の写真は、園のサボテン温室に植えている金鯱です。
サボテン温室の金鯱
 写真に写っている株は、樹齢60年を超えていると思われます。かなりの長寿です。

 その他のユニークなものを続けてご紹介します。
 まずはサボテンから

マミラリア ‛玉翁殿(ぎょくおうでん)’

ポラスキア ‛雷神閣綴化(らいじんかくてっか)’

エスポストア ‛幻楽(げんらく)’

アストロフィツム ‛群鳳玉(ぐんぽうぎょく)’


次は、サボテンではない「多肉植物」です。

ユーフォルビア ‛宇田ゼブラホリダ’
 トウダイグサ科で、サボテンではありませんが、柱サボテンの類と似た姿をしています。

パキポディウム・ラメレイ
 キョウチクトウ科です。自生地では乾季には葉が少なくなり、新たに出る葉が大きくならなくなります。逆に、雨季には葉が増えます。

アガベ3種
 アガベ(リュウゼツランの仲間:リュウゼツラン科)です。
 葉の縁に強い刺があります。

ハオルチア ‛明日香錦(あすかにしき)’
 ススキノキ科です。この株は、葉の先が半透明になっており(「窓」とよばれる)、そこから入った光が植物体内に入っていく仕組みになっています。自生地では、植物体の多くは土に埋もれ、窓部分だけを地上に出し、厳しい乾燥を防いでいます。日本など、空中湿度が高い所で栽培すると、過湿を嫌い、植物体の多くが地上部に出る傾向があります。

 今回紹介した以外にも多数の魅力的な植物が展示されています。
 10月16日(土)、17日(日)、23日(土)、24日(日)には販売があります。愛好会の会員の方が会場に居られますので、サボテン、多肉植物の質問に答えていただけます。
 ぜひお越しください。