今日の植物公園〔5月15日号〕:タギョウショウ
広島市植物公園ブログ
2021/05/15

今日の植物公園〔5月15日号〕:タギョウショウ

本日の話題:タギョウショウ(多行松)について


 広島市植物公園の切符売り場を入ってすぐ右に、展示資料館という建物がありますが、その前の芝生の斜面の中に、キノコのような形をした松が植えられています。

展示資料館の前のタギョウショウ

 これらの松はタギョウショウ(多行松)といい、アカマツの園芸品種です。根元からたくさんの幹が分かれて立ち上がっているのが特徴です。通常、接ぎ木で増殖され、本園の株も接ぎ木から育ったものです。

展示資料館の前のタギョウショウ(拡大)


 本園は開園から44年が経過していますが、開園当時から植栽されており、樹齢は60年を超えると推測されます。とはいえ、毎年、芽摘みなどの手入れを続けているので、展示資料館前の株の樹高は1.5m~2m程度で維持されています。

 ちょうど、今、「みどり摘み」の時期になっており、順次作業が進んでいます。「みどり摘み」は、春から伸びた新しい枝(芽)を短く摘むことにより枝を伸びすぎないようにし、美しい樹形を維持する作業です。

みどり摘みをする前の枝先

花ができている枝もあります

みどり摘みを終えた枝

 また、展示資料館裏の階段をのぼった所に「あずまや」がありますが、その近くに、みどり摘みの程度を調整し、枝をむやみに伸ばしすぎないように注意しながらも自然な樹形を出させるように努めて管理している株があります。こちらの株は、4m位の樹高になっています。


あずまやの近くで育てている株

 実は、タギョウショウを多数植栽・公開している施設はあまり多くありません。本園で見られるこの風景は、意外に珍しいものですので、次回お越しの際は園内を散策しながら、注意して見つけていただくのも面白いと思います。

(ご紹介している写真は、全て令和3年5月15日に撮影したものです)
今日の植物公園【5月13日号】:園内ぶらぶら散歩
広島市植物公園ブログ
2021/05/13

今日の植物公園【5月13日号】:園内ぶらぶら散歩

 今日はあずまやから回ってみようと思います。
 
あずまや(東屋) 令和3年5月13日撮影

 次は香りの小径です。シャクヤクが咲いています。

シャクヤク 令和3年5月13日撮影

 次は休憩展望塔です。宮島が見えます。

 
休憩展望塔前の藤棚 令和3年5月13日撮影
休憩展望塔から望む宮島 令和3年5月13日撮影

 次は日本庭園です。6月にはハナショウブが咲きます。猫がいました。

 
ハナショウブ園 令和3年5月13日撮影
ネコ 令和3年5月13日撮影

 次はバラ園です。

バラ園入口 令和3年5月13日撮影

バラ バリアント 令和3年5月13日撮影

バラ バヤッツォ 令和3年5月13日撮影

バラ オクラホマ 令和3年5月13日撮影

バラ オフェリア 令和3年5月13日撮影

バラ クラモワジ・スペリオール 令和3年5月13日撮影

バラ園中央 令和3年5月13日撮影
バラ園南側 令和3年5月13日撮影
バラ イングリッド・バーグマン 令和3年5月13日撮影

バラ シャルル・マルラン 令和3年5月13日撮影

バラ ヒロシマ・マインド 令和3年5月13日撮影

バラ ピース・メーカー 令和3年5月13日撮影

バラ 広島の鐘 令和3年5月13日撮影

バラ ヘレン・トローベル 令和3年5月13日撮影

バラ 広島平和記念公園 令和3年5月13日撮影

バラ グラナダ 令和3年5月13日撮影

バラ バターカップ 令和3年5月13日撮影

バラ パパ・メイアン 令和3年5月13日撮影

バラ アルティシモ 令和3年5月13日撮影

バラ 長良 令和3年5月13日撮影

 やはり5月はバラですね。 次は花の進化園です。

アグロステンマ(ナデシコ科)令和3年5月13日撮影

チドリソウ(キンポウゲ科)令和3年5月13日撮影

ハナビシソウ(ケシ科)令和3年5月13日撮影

スイレン(スイレン科)令和3年5月13日撮影

 最後に大温室のコンニャクです。

ゾウコンニャク 令和3年5月13日撮影

ゾウコンニャク 令和3年5月13日撮影

アモルフォファルス・ディカス‐シルバエ(花後)
令和3年5月13日撮影

 いかがでしたか。バラの見頃に臨時休園となってしまいましたが、少しでも気持ちをリフレッシュできたでしょうか。
今日の植物公園[5月12日号]:アヤメ科の植物
広島市植物公園ブログ
2021/05/12

今日の植物公園[5月12日号]:アヤメ科の植物

本日の話題:アヤメ、ハナショウブ、カキツバタ

 初夏に咲くよく似た花にアヤメ、ショウブ、カキツバタがあり、見た目もよく似ているため間違われることが多い花です。今回はそれぞれの見分け方を紹介します。

アヤメ

 アヤメは5月上旬~中旬に咲き、名前の通り花びら(外花被片)に網目模様があるのが特徴です。水辺ではなく草地などの乾いた場所で育ちます。

アヤメ(令和3年5月11日撮影)

ハナショウブ

 ハナショウブは6月上旬~下旬ぐらいに湿った場所に咲きます。ノハナショウブを基にして改良された園芸種なのでさまざまな花の色がありますが、共通点は花びら(外花被片)に黄色い斑紋があるのが特徴です。

ハナショウブ 小町娘(過去の写真)

カキツバタ

 カキツバタはアヤメとハナショウブの開花期の間の5月中旬~下旬に湿った場所に咲き、ハナショウブよりもより湿った場所を好む傾向があります。よく似ているハナショウブとの違いは、ハナショウブは花びら(外花被片)に黄色い斑紋があるのに対して、カキツバタは白い斑紋があるのが特徴です。

カキツバタ(令和3年5月11日撮影)

おまけ

 5月5日の端午の節句にお風呂にショウブの葉を入れる習慣がありますが、ショウブはハナショウブとは別の植物になります。上記の3種は全てアヤメ科ですが、お風呂に入れるのはショウブ科の植物になります。

ショウブ(令和3年5月11日撮影)
今日の植物公園[5月11日号]:バラの品種紹介
広島市植物公園ブログ
2021/05/11

今日の植物公園[5月11日号]:バラの品種紹介

本日の話題:バラの品種紹介   

 今まさに見頃を迎えているバラ園から、いくつかの品種を取り上げてみたいと思います。

 当園のバラ園の特徴として、品種数の多さが挙げられます。バラ園には約1000株ほどのバラが植栽されていますがその品種数は700種類ほどになり、1品種につきおよそ1株ずつ植えられている計算になります。

 一般的に普及している品種のほか、「アーリーモダンローズ」と呼ばれる戦前に作出されたモダンローズの系統や、各種オールドローズ、世界各地から収集した野生種、世界各国から広島市に寄贈された品種など、植物園ならではのコレクションをご覧いただけます。

品種紹介


ラ・フランス

 ラ・フランスが作出された1867年以前からあった系統をオールドローズ、1867年以降に育成された系統をモダンローズと呼び区別されるようになるなど、バラの歴史の中で記念碑的存在です。それまでのバラにはなかった四季咲き性を実現し、のちにハイブリッドティーと呼ばれる系統を確立しました。ふっくらとしたピンクの花は見た目もさることながら素晴らしい香りを備えています。


ジャストジョーイ

 ゆったりとした雰囲気の大輪花で、フリル状に波打つ花びらが特徴です。その色合いと花の大きさから、バラ園でもよく目を引きます。1994年に世界ばら会連合の「栄誉の殿堂入り」を果たした名花です。

天の川

 バラ育種家の鈴木省三氏が作出し、日本人として初めて国際コンクール入賞を果たした歴史的品種です。濃い緑の葉に映える一重の黄花は、まさに輝く星のようです。
リージャンロードクライマー

 中国は麗江(リージャン)の道路沿いで植栽されていたところをイギリスのプラントハンターに見出された品種。非常に生育旺盛なつるバラで香りも良いため、バラ園の見どころとなっています。バラ園全体の見頃(5月中旬ごろ)に先駆けて4月の終わりごろから咲き始め、大型連休の頃に見頃を迎えます。
ロサ キネンシス ミニマ
 モダンローズに四季咲き性をもたらしたロサ キネンシスのわい性種で、現在のミニバラのルーツとされています。先述のリージャンロードクライマーと比較すると非常に小型で、草丈は30cmほどに収まります。同じバラといってもこのように様々な大きさのものがある点がバラ園芸に豊かな楽しみをもたらしているといえるでしょう。
カザンリク

 バラは花壇園芸のみならず香料の原料としても栽培されます。カザンリクはブルガリアで香料用のバラ栽培に用いられている品種で、豊かな香りを含む花を多数咲かせます。

おわりに

 バラ園でご覧いただける品種をいくつかご紹介しましたが、まだまだ紹介しきれないほどたくさんの品種があります。今後もブログ等を通じて、バラ園の様子をお届けしていきたいと思います。



今日の植物公園[5月10日号]:カカオについて
広島市植物公園ブログ
2021/05/10

今日の植物公園[5月10日号]:カカオについて

本日の話題:カカオのさや(カカオポッド)の解体

 植物公園の大温室には、熱帯果樹を集めた「くだものと暮らしのコーナー」があり、バナナやコーヒーなど様々な果物が実っています。身近な植物を集めていることもあり、人気があるコーナーです。高い位置に成る植物も、スロープデッキのおかげで小さい子供でも目線の高さで観賞することができます。

 本日はチョコレートの原料植物であるカカオのさやの中身をご紹介したいと思います。植物公園では毎年実をつけていますが、国内で展示している施設は少なく、県内では当園のみで見ることができる珍しい植物です。

カカオの木と果実 令和3年5月10日撮影

 カカオは幹から直接花が咲き、結実する特徴があり、幹生花・幹生果(かんせいか)と呼ばれます。熱帯の植物に多く見られる特徴で、カカオの他にはパパイヤやジャボチカバ、ドリアンなどが有名どころです。白い小さな花が咲いてから、半年ほど経つと色づいて収穫できるようになります。

収穫したカカオのさや(カカオポッド)

 早速、収穫したカカオのさや(カカオポッド)を解体してみましょう。包丁で縦切りにしたいと思います。さやは結構固く、包丁を入れた感じはカボチャのような固さでした。

縦切りしたカカオのさや

 包丁で二つに割ったところです。種の周りが白いふわふわした繊維(果肉)で覆われています。この白い果肉はカカオパルプと呼ばれ、生で食べることができます。一口味見をしてみましたが、マンゴスチンの様な甘みと酸味がある味でした。現地ではフルーツ代わりに食べられており、東京ではカカオパルプをジュースとして提供しているお店もあるそうです。

カカオのさや(中身を取ったところ)

 カカオパルプとカカオ豆を取り出したさやが残りました。見た目はゴーヤの様な感じですが、さやの部分は硬くて食べられません。カカオの種子は動物散布とされていますが、この固いさやをどうやって割って食べているのでしょうか。

種子(カカオ豆)

 最後に、種子(カカオ豆)を取り出してみました。まだ未熟な状態でしたが、約30粒ほど入っていました。この種子を原料に発酵・焙煎といった複雑な工程を経てチョコレート製品ができあがります。

 余談ですが、カカオは薬用植物としても知られています。チョコレートに薬効があるという話ではなくて、人肌の温度で溶けるカカオ脂の特徴を利用して、座薬の基材に用いられています。

 再開園した折には、身近な暮らしで役立つ植物「カカオ」の実物を植物公園でぜひご覧ください。