園長のおすすめ(シロバナツルボ)
広島市植物公園ブログ
2022/09/04

園長のおすすめ(シロバナツルボ)

シロバナツルボ Barnardia japonica (Thunb.) Schult. et Schult.f.
f. albiflora (Satake) Yonek.

 クサスギカズラ科ツルボ属。ツルボ(紫がかった色)の白花種で、日本、中国、朝鮮半島に分布する多年草の植物です。ツルボの別名は参内傘(サンダイガサ)といい、お公家さんが宮中に参代するときに従者に持たせた長い柄の傘をたたんだ時の形が花序と似ていることからと言われています。

 葉は長さ約20cm幅5mmで、花茎は20~40cmにもなり、花を総状に多数つけて、8月~9月に開花します。球根にはデンプンが多く含まれ、戦後の食糧難の時代には貴重な栄養源として食べられたこともあります(注)

注:ツルボは全草に有毒成分「プロトアネモニン」が含まれている有毒植物です。ヒガンバナやソテツなどと同様に、救荒作物として用いられてきた歴史はありますが、決して食べないでください。

園内位置:うらら池側のハナショウブ園法面(里山の野草園の近く)