ムジナモ展示中
広島市植物公園ブログ
2023/07/25

ムジナモ展示中

 スイレン温室入口でムジナモを展示しています。

 ムジナモは食虫植物のひとつで、水中に浮かんで生活します。節ごとに6~8個の葉をつけ、袋状になった葉は開閉することで水中の虫を捕らえ、消化します。 

 国内では、牧野富太郎博士が明治23年(1890)年、東京郊外の小岩村で発見しており、異様な形態の植物を発見した驚きは、「ムジナモ発見物語り」で「用水池の周囲にヤナギの木が繁つていて、その小池を掩うていた。私はそこのヤナギの木に倚りかかつて、その枝を折りつつ、ふと下の水面に眼を投げた刹那、異形な物が水中に浮遊しているではないか。」と書いています。 

 さらに、「このムジナモに就て、特筆すべき一つの事実がある。それは世界に向つて誇つてもよい事柄である。即ち、それはこの植物が、日本に於て特に立派に花を開くことである。私はこれを、明瞭に且つ詳細に私の写生図の中へ描き込んで置いた。」とも。この精緻な牧野博士の植物図は海外の書物に載せられ、「MAKINO」の名を世界に知らしめました。

 ムジナモの名前は、(ムジナはタヌキの別名で)タヌキの尾にみたてたものです。ちなみに、タヌキモという植物もあり、同じ食虫植物ですが、ムジナモはモウセンゴケ科、タヌキモはタヌキモ科で、別の植物です。

スイレン温室前
ムジナモ