Q&A 12.栗の実から白い芋虫が
広島市植物公園ブログ
2020/01/15

Q&A 12.栗の実から白い芋虫が

Q.クリの実を貰って少しの間台所に置いておいたら、いつの間にか白い芋虫が出てきました。何か防除する方法はありますか?

A.クリの中にいた虫はゾウムシの幼虫で、8月上旬から10月下旬にかけて成虫が発生し、交尾してクリの鞠果の表面に棘を避けながら口吻(口の部分が長く伸びたもの)を差し込み穴を開け、そこに卵を産み付けます。幼虫はクリの実を食べながら成長しますが、糞も同時に溜め込みますので、悪臭もします。9月以前に収穫するクリには被害は少ないのですが、それ以降に収穫するクリには多くの被害が見られます。産卵後2週間程度で孵化し、実を食べ荒らした後は実から出て土の中に入り、蛹などの状態で越冬し、羽化します。二年後に羽化するものもいます。

 防除法としてはくん蒸法(煙状の薬剤で虫を殺す方法)がありますが、小規模に使用するにはリスクが大きいので、収穫して直ぐに冷凍したり、茹でたりすることにより幼虫を殺すことは可能です。また、主に9月頃に産卵を行いますので、その頃に殺虫剤などを散布して成虫を近づけないようにします。しかし、クリの木はクリ園として栽培されているもの以外は大きいものが多く、薬剤散布も難しいものがほとんどだと思います。

 他にもゾウムシには色々な種類があり、花や野菜の害虫となっています。秋~冬場に白い芋虫状の幼虫を見つけることができます。いずれも夏頃に成虫が発生しますので、薬剤散布で防除するようにします。

 [文 田川 朋男]


出展:はなの輪第162号 プラントドクターQ&Aより

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