今週の植物公園:園内の冬支度
広島市植物公園ブログ
2021/12/20

今週の植物公園:園内の冬支度

冬を彩る草花の代表、パンジー

 今年は12月に入っても暖かい日が続いていましたが、最近になって霜が降りるほどの冷え込みもあったりといよいよ冬到来といったところです。少し標高の高いところにある当園は平地より冷え込み、植物にとっては厳しい環境です。厳しい冬の寒さに備え、植物を守る準備を行っています。

アメジストセージの冬越し
不織布で覆われたベルチナバナナ

 アメジストセージの地上部を刈り取った跡、不織布で株を覆って冷え込みに備えています。うっすらとした不織布ですが、1枚かけておくだけで霜から植物を守ることができ、あるとないとでは大違いです。ベゴニア温室前のベルチナバナナは株全体を不織布で保護しています。

ネモフィラの苗を霜から守る

 森のレストラン前の花壇では、来年の春に備えてネモフィラの種まきを行いました。小さな苗は霜で傷むことがあるので、霜よけとして不織布でカバーしています。寒さを乗り越え、春には一面ブルーの花畑となる予定なのでどうぞお楽しみに。

バーク堆肥で覆われた球根類

 不織布と同様に、堆肥で株を覆うことでも寒さから植物を守ることが出来ます。花の進化園では、寒さに弱いカンナなどの球根類をバーク堆肥で覆い、冬越しに備えています。

マツの雪吊り

 日本庭園のマツがひもでつながれているのを見て驚く方もいるかもしれません。これは雪吊りといって、豪雪地帯でマツなどの枝が雪の重みで折れることを防ぐための仕掛けです。金沢の兼六園のものが有名です。雪の少ない当園では必要ありませんが、雪吊りの紹介と景観づくりのために設営しています。

室内に取り込んだシェフレラ

 観葉植物など、耐寒性が低く屋外で冬越しが難しいものは、室内に取り込んで冬越しさせます。このシェフレラは、熱帯スイレン温室北側の風除室に取り込んでいます。ご家庭でも、室内に取り込むだけでかなり寒さが和らぐので、寒さに弱い植物はぜひ冷え込みが厳しくなる前に取り込みましょう。

 冬の寒さに備え、また来年の開花に備え、園内ではたくさんの管理作業を行っています。屋外ではこれから花が少なくなりますが、個性豊かな各温室では冬の間でもさまざまな植物をお楽しみいただきます。冬のお出かけに、ぜひ植物公園にもお越しください。