今週の植物公園:ゼラニウム展
広島市植物公園ブログ
2022/03/17

今週の植物公園:ゼラニウム展

  広島市植物公園では、展示温室で「ゼラニウム展」を開催中です(期間:令和4年3月5日~4月17日)。

ゼラニウム展の様子

 ゼラニウム系を中心に、ニオイゼラニウムやアイビーゼラニウム、野生種など、400品種以上を展示しており、これだけ多くの品種が一度に見られるのは国内でも当園だけです。

 また、当園で保存している「変わり葉ゼラニウム」は(公社)日本植物園協会のナショナルコレクション認定を受けた大変貴重なコレクションで、この展示の目玉のひとつです。

変わり葉ゼラニウムの展示


‛真鶴’

‛瑞雲錦’

 一般に「ゼラニウム」として親しまれている植物は、フウロソウ科ペラルゴニウム属の園芸グループのひとつです。古くはゲラニウム属(フウロソウ属)に分類されていたため、その名残りで現在もなおゼラニウムの名で呼ばれています。

 ゼラニウムは、大きく次のグループに分けることができます。

・ゼラニウム系:一般によく見かける四季咲きのゼラニウム。ミニタイプや八重咲きや星形の花の品種もあります。大正~昭和初期にブームを巻き起こした「変わり葉ゼラニウム」もこのタイプ。
インクイナンス(ゼラニウム系の重要な野生種)

‛ショーケース・ディープスカーレット’

‛白美人’

‛ファイヤーワークス・ピンク’

‛チューリップ咲きゼラニウム’

・ペラルゴニウム系:花が大きくて豪華。春咲き。(展示期間の中頃から見頃になるので、会期の途中で展示物の入れ替えを行い、後半に多数展示します:今は前半の展示内容です)

・アイビーゼラニウム系:ツタのような切れ込みのある葉が特徴的な種類。枝が伸びるのでハンギングにすると見事。四季咲き。

‛エフカ’

・ニオイゼラニウム系:花は地味ながら葉に香りがあります。バラ、イチゴ、レモン、シナモン、ミントなど様々な香りの種類があり、香料にも利用されています。
オドラティッシムム(野生種:リンゴの香り)

パインゼラニウム(松の香り)


・その他にも、上記以外の様々な園芸種や多様性に富んだ野生種があります。
モニリフォルメ(野生種)

ポンドゥリフォルメ(野生種)

アペンディクラツム(野生種)

クリスミフォリウム(野生種)

最後に、秘蔵の自生地の写真をご紹介します。
アフリカ南部のレソト王国にて(2001年12月)

南アフリカ共和国のナマクワランドにて(2006年9月)

南アフリカ共和国のナマクワランドにて(2006年9月)

南アフリカ共和国のアグラス岬にて(2006年9月)

南アフリカ共和国のテーブルマウンテンにて(2001年12月)

南アフリカ共和国のテーブルマウンテンにて(2001年12月)

南アフリカ共和国のケープ岬にて(2006年9月)