今日の植物公園(ヤチシャジン)
広島市植物公園ブログ
2020/07/27

今日の植物公園(ヤチシャジン)


ヤチシャジンの花 令和2年7月26日撮影
ヤチシャジンの花 令和2年7月26日撮影

 うらら池北側の湿地ではヤチシャジンが開花しており、8月上旬まで見頃となりそうです。
 ヤチシャジンは、中国大陸東北部から朝鮮半島を経て中国地方と東海地方の一部に分布しているキキョウ科の植物です。漢字で書くと「谷地沙参」と書き、谷内(湿地)に生える沙参(ツリガネニンジンの仲間)という意味になります。ただ、花はどちらかというとツリガネニンジンよりはキキョウに似ています。

 国内では、自生地の環境変化が主な要因で急速に減少した結果、愛知県では絶滅。現在残る確実な自生地は、広島県と岐阜県にある数か所だけになってしまいました。そのため、環境省、広島県ともに本種を最も絶滅の危険度が高い植物種に選定しています。また、広島県は独自の条例で指定野生生物種に指定して保護しています。

 広島市植物公園では、1995年から保全事業を継続していて、現在は人工的に増殖した株をうらら池北側に植栽展示しています。

ヤチシャジンとクマバチ 令和2年7月26日撮影