薬になる植物(薬用植物)
ゲンノショウコ 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:ゲンノショウコ(フウロソウ科)
- 学名:Geranium thunbergii Siebold ex Lindl. et Paxton
- 原産地:日本・中国・朝鮮・台湾
- 生薬名:ゲンノショウコ・玄草(げんそう)[薬局方]
- 利用部位:全草
- 薬効:下痢止め・腹痛の緩和
ゲンノショウコは煎じ薬にして飲むとたちどころに下痢が収まることから、証拠(薬効)が明らかだということで、「現の証拠」の和名が付けられたようです。写真の白花のタイプと赤花のタイプがあり、西日本では赤花のタイプがよく見られます。
ツリガネニンジン 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:ツリガネニンジン(キキョウ科)
- 学名:Adenophora triphylla (Thunb.) A.DC. var. japonica (Regel) H.Hara
- 原産地:日本(北海道・本州・四国・九州)・サハリン
- 生薬名:沙参(しゃじん)
- 利用部位:根茎
- 薬効:鎮咳・去痰・強壮
和名は花の形をお寺の鐘楼(釣鐘)に見立てたものです。キキョウ科の植物なので、細いながらも高麗人参のようなひげ根をしており、サポニン・イヌリンなどの薬効成分が含まれています。
ミソハギ 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:ミソハギ(ミソハギ科)
- 学名:Lythrum anceps (Koehne) Makino
- 原産地:日本(北海道・本州・四国・九州)・朝鮮
- 生薬名:千屈菜(せんくつさい)
- 利用部位:地上部全体
- 薬効:下痢止・打撲・止血
和名はお盆に精霊棚の供物をミソハギのしずくで清めたことから、禊萩(みそぎはぎ)と呼んでいたことに因むようです。湿った場所を好みますが、溝に生える萩ではありません。盆花として欠かせない植物の一つです。
ウド 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:ウド(ウコギ科)
- 学名:Aralia cordata Thunb.
- 原産地:日本・中国・朝鮮・サハリン
- 生薬名:独活(どっかつ)[薬局方]・和羌活(わきょうかつ)
- 利用部位:根
- 薬効:頭痛・神経痛・リウマチの痛み・ムチウチ症
「独活の大木(うどのたいぼく)」という慣用句があるように、大きな株では2m近くまで成長します。花は集合して球形になります。
ミシマサイコ 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:ミシマサイコ(セリ科)
- 学名:Bupleurum stenophyllum (Nakai) Kitag.
- 原産地:日本・中国・朝鮮・モンゴル・シベリア・欧州
- 生薬名:柴胡(さいこ)[薬局方]
- 利用部位:根
- 薬効:解熱・抗炎症作用・肝機能正常化
多くの漢方薬に処方される重要な生薬です。ミシマは地名(静岡県三島)由来で、三島周辺でとれた良質の柴胡を全国に出荷していたことに因みます。
ホオズキ 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:ホオズキ(ナス科)
- 学名:Alkekengi officinarum Moench var. franchetii (Mast.) R.J.Wang
- 原産地:東アジア
- 生薬名:酸漿根(さんしょうこん)
- 利用部位:根
- 薬効:鎮咳・利尿・通経
浅草寺(東京都)で行われるホオズキ市は全国的に有名です。原産地がはっきりせず、日本に自生していたという説のほかに、古い時代にアジア(中国)から渡来したという説もあります。
ニホンハッカ 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:ニホンハッカ(シソ科)
- 学名:Mentha canadensis L. var. piperascens (Malinv. ex Holmes) H.Hara
- 原産地:日本・中国・朝鮮・シベリア
- 生薬名:薄荷(はっか)[薬局方]
- 利用部位:葉
- 薬効:健胃・駆風
ハッカ(薄荷)は、ペパーミントやスペアミントなどと同じなかま(ハッカ属)で、世界中のミント類の中で最もメントールを含有している種類です。メントールが人工的に合成できるようになる前は、日本の重要な輸出産品の一つでした。また、明治時代中頃には広島(特に県東部)・岡山はハッカの最大の産地でした。
カワラケツメイ 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:カワラケツメイ(マメ科)
- 学名:Chamaecrista nomame (Makino) H.Ohashi
- 原産地:日本(本州以南)・中国・朝鮮
- 生薬名:山扁豆(さんぺいず)
- 利用部位:葉
- 薬効:利尿・健胃・整腸
カワラケツメイは、まめ茶やはま茶と呼ばれる健康茶としてよく知られる植物です。弘法大師が広めたという伝承があることから、弘法茶とも呼ばれています。
ワレモコウ 令和3年9月13日撮影 |
- 和名・科名:ワレモコウ(マメ科)
- 学名:Sanguisorba officinalis L.
- 原産地:日本・中国・朝鮮・シベリア・欧州
- 生薬名:山扁豆(さんぺいず)
- 利用部位:根茎
- 薬効:下痢止・止血・火傷
ワレモコウは秋の時期を代表する山野草としても有名です。紅一点の花には花弁がなく、独特の花穂の姿は静かな美しさを感じられます。学名(種小名)の「officinalis」はラテン語で薬用であることを意味し、多くの薬用植物に用いられています。