セントポーリア展&うんちくガイド
広島市植物公園ブログ
2019/05/26

セントポーリア展&うんちくガイド

セントポーリア ハワイアントレイル

 「セントポーリアとイワタバコの仲間展」を展示温室にて開催中です(~6月6日(木)まで)。植物公園のイワタバコ科野生種コレクションと広島セントポーリアの会会員が出品した園芸品種を一堂に会した、国内有数の展示会です。イワタバコの花ことばは「小さな愛」。可憐な花をぜひご覧ください。

  • 出品数
    • 広島セントポーリアの会(会員6名)
      • セントポーリア園芸品種 143株
    • 植物公園
      • セントポーリア野生種 18種138株
      • イワタバコ科植物 50種

セントポーリア 野生種の展示

 会期の初日に合わせて、展示解説(職員による植物うんちくガイド)も行いましたので、あわせてご紹介します。

世界のイワタバコ科植物の展示と担当者による解説

 今回のうんちくガイドのテーマは「セントポーリアとイワタバコの仲間展と乾燥地の植物」。サボテン温室と本展示の両方を担当している栽培・展示課の平井主任技師が今回の講師を務めました。写真は、世界のイワタバコ科植物の分布や特徴を解説しているところです。

ストレプトカーパス属の野生種

 イワタバコの名前は、「湿った岩の隙間に自生する+タバコのような大きな葉」が由来。ストレプトカーパスは牛の舌のような大きな葉を1枚だけ展葉するのが特徴で、生涯を1枚の葉のみで過ごし、花が咲くと枯れてしまいます。

サボテン温室(金鯱とプルメリア)

 続いて、サボテン温室に移動して、乾燥地の植物を観察しました。厳しい環境で生き抜いていくための知恵を学んでいきます。

光を求めて移動するサボテン

 植物は動物と違って移動できないと思いがちですが、光や水を求めて生長する向きを変えていきます。より多く日光に当たるために、南面に向かって伸長しています。

砂の隙間から芽生えた実生のサボテン

 ウチワサボテンの近くの植え込みをよく見てくると…1センチにも満たないサボテンの赤ちゃんが見つかりました。こぼれ種で発芽したのでしょう。種で増えたり、葉や植物体の一部から増えたり、乾燥地の植物の繁殖戦略にもいろいろあります。

 これからの時期は暑いので素通りしがちなサボテン温室ですが、過酷な環境でも生存できる「乾燥地の植物」の戦略を想像すると楽しいひと時を過ごせるかもしれませんね。

 最後に、観察の参考になるガイド資料を添付しておきます。

配布資料(サボテン温室~様々な生き残り戦略)

 次回のうんちくガイドは6月11日(火)11時から、テーマは「和の植物見て歩き」、見頃のハナショウブ・アジサイをご案内します。