伝説の毒草? マンドレイク開花中です
広島市植物公園ブログ
2020/11/28

伝説の毒草? マンドレイク開花中です

マンドレイク(マンドラゴラ・オータムナリス)

 12月24日まで展示温室で開催されている「クリスマスを飾るフラワー展」にマンドレイクの鉢を展示しています。
 マンドレイクは別名マンドラゴラとも呼ばれ、ファンタジー映画や小説などではお馴染みの植物です。最近ではハリーポッターで取り上げられたことで有名になりましたが、古代より媚薬や不老不死の薬の原材料になる、引き抜くときには悲鳴をあげ、声を聴いたものは錯乱あるいは絶命する、引き抜いた後も走り回るなどの様々な伝承や伝説が残されている「いわれのある植物」でもあります。
 このようないわれから空想上の植物と思われがちですが、マンドレイクという植物は実在する植物で、古くは薬用植物として鎮静剤や鎮痛剤として使われていました。ただ、現在では毒性が強いためほぼ使われていません。
 もちろん声をあげたり走り回ったりすることはありませんが、マンドレイクの複雑に絡んだ細根は、しばしば人の姿に例えられてきました。このことから前述ような伝説が残されたものと思われます。

マンドレイクの根

 マンドレイクには、薬用として用いられた春咲きのもの(マンドラゴラ・オフィシナルム)もありますが、現在開花しているのは秋咲きのもの(マンドラゴラ・オータムナリス)です。もちろん観賞用ですので決して口に入れたり、根を引き抜いたりしないで下さい。 

マンドレイク(マンドラゴラ・オータムナリス)の花