今日の植物公園[5月17日号]
広島市植物公園ブログ
2020/05/17

今日の植物公園[5月17日号]

本日の話題:フタリシズカ


 5月も後半に差し掛かり、夏のような日差しになる日も出てきました。お日様が大好きな植物にとってはいい季節になりましたが、涼しい日陰を好む植物にとって初夏の日差しは厳しいものがあります。

 うらら池沿いの道を北に向かって進んだところにある里山の野草園は、西日が避けられる東向きの斜面の下にあります。風通しがよく、木漏れ日がそそぐこのエリアには、日陰を好む山野草が植栽されています。


フタリシズカ(2020年5月17日撮影)

 午前中には日陰になる土手の部分では、フタリシズカが見頃を迎えていました。すっと立ち上がった2本の花序が涼しげな雰囲気です。白く見えるのは実は花びらではなくおしべで、近縁種のヒトリシズカと比べるとおしべの部分が短く丸まったように見えます。

フタリシズカ(2020年5月17日撮影)

 5月17日現在、たくさんのフタリシズカが咲いています。日陰になる環境とあいまって涼やかに感じます。

キビヒトリシズカ(2020年4月30日)

 現在は花が終わってしまいましたが、2週間ほど前にはフタリシズカのすぐ近くの場所でキビヒトリシズカが見頃となっていました。岡山県などに分布するヒトリシズカの近縁種で、ヒトリシズカよりも白いおしべの部分が長いのが特徴です。

 里山の野草園では四季折々の山野草をご覧いただけます。季節によって違う顔を見せる山野草たちの姿をお楽しみください。

 植物公園はいよいよ明日5月18日から開園します。臨時休園に伴い4月22日から始まった「今日の植物公園」は、ひとまずこれにて終了します。外出自粛中のみなさまにとって少しでも園内の様子をお楽しみいただけましたでしょうか。明日からは実際に植物をご覧いただけますので、是非ご来園ください。今後も園内の開花状況などをこのブログにて随時発信していきますので、こちらもぜひご覧ください。