今日の植物公園[5月22日号]:梅もぎ
広島市植物公園ブログ
2021/05/22

今日の植物公園[5月22日号]:梅もぎ

本日の話題:梅もぎの時季

ウメ 白加賀 令和3年5月22日撮影

 植物公園は6月1日(日)まで当面の間臨時休園ですが、電話による園芸相談は毎日午後1時から4時まで受け付けています。最近相談を受けたものの中から、今回は「梅もぎ」の時季についての回答をご紹介します。

 今年は早くも5月に梅雨入りしましたが、梅雨の由来に、梅の果実が熟す時期に雨が降るからという一説があります。例年であれば、6月~7月にかけてとなりますが、今年は花が咲くのも早かったので、いつ収穫すれば良いのだろうかと相談を受けました。

 早速回答になりますが、梅もぎの時季は、収穫した梅の用途によって異なります。

梅酒・梅シロップに用いる場合

 「梅酒」や「梅シロップ」には熟す前の青梅(あおうめ)を用います。品種によって収穫適期は異なりますが、見た目でおおよその目安が判断できます。
  • 青梅収穫の目安(見た目)
    • 果実表面の産毛が少なくなり、表面がつるつるしている
    • 果実の形が扁平だったものが丸みを帯びてきた
 それでも心配であれば、梅の種(仁)を割ってみるとよりはっきりします。下の写真のように、種子の表面が褐色になり、種子の内部がしっかりとした白い組織で覆われおり、ゼリー状の柔らかい部分がなくなっていれば、収穫しても大丈夫です。

青梅の断面(そろそろ収穫時期) 令和3年5月22日撮影

梅干しにする場合

 梅干しにする梅は、木の上で完熟した状態で収穫します。完熟すると自然に落下するので、それを拾い集めても良いですが、傷がつかないように木の下にネットを張ったり、落ちる前にやさしく手で収穫するとよりおいしい梅干しになります。実の色が黄色~黄緑色になっていると取りどきです。外側の日に当たる部分から熟していくので、実の量が多い場合には木の外側から順番に梅をもいでいくとと良いでしょう。

注意:青梅の生食は厳禁

 未熟な青梅や種子の中身(仁)には、アミグダリンと呼ばれる有毒物質が含まれており、大量に生の青梅を食べると中毒症状を引き起こす可能性があります。梅干しや梅酒にするとアミグダリンは分解されるので、これらの加工品は安心して食べることができます。