今日の植物公園[5月30日号]:見頃のハナショウブ
広島市植物公園ブログ
2021/05/30

今日の植物公園[5月30日号]:見頃のハナショウブ

本日の話題:見頃のハナショウブ

 ハナショウブ&アジサイまつりは臨時休園に伴い中止となりましたが、日本庭園内のハナショウブ園ではたくさんのハナショウブが見頃を迎えています。
 
ハナショウブ園の様子(5月30日撮影)

 当園のハナショウブ園では、120品種約1000株のハナショウブを観賞することができます。ご来園いただけない状況なのが残念ですが、現在開花中のハナショウブを簡単な解説を交えてご紹介します。以下、特に断りがなければ写真は本日(5月30日)撮影したものです。

ノハナショウブ

ノハナショウブ

 今日の様々な園芸品種の元となった野生種です。北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国東部、シベリア東部に分布します。江戸時代中期ごろから園芸化されはじめ、江戸系、肥後系など、地域ごとに独特の園芸品種群が作出されました。


 江戸系
 屋外で群生美を楽しむことを目的に江戸で育成された系統。他の系統と比べて丈夫な品種が多く、草丈は高めです。

五色の珠


万里の響

春の海(5月24日撮影)

 肥後系

 鉢植えでの室内鑑賞を目的に育成された系統で、肥後六花のひとつに数えられます。草丈は低く、一輪で楽しめる豪華な六英花(大きな花弁が6枚ある系統)の品種が多くあります。

淡路島


舞妓


 伊勢系
 肥後系と同じく鉢植えでの室内鑑賞を目的として育成された系統。草丈が低く、三英花で花弁が垂れるものが中心です。

旭丸(5月24日撮影)

岐山の春(5月24日撮影)

 長井古種
 山形県の長井あやめ公園で保存されてきた系統。ノハナショウブの面影を強く残した、清楚な花が特徴です。長井古種を元にした長井系と呼ばれる品種群も作出されています。

長井小紫(5月24日撮影)

爪紅(5月24日撮影)

 
 以上、現在開花中の品種をご紹介しました。